イオアン10世 (アンティオキア総主教)

ユーハンナー10世

ユーハンナー10世（本名: ユーハンナ・ヤズギ）は、1955年にシリアのラタキアに生まれ、現在アンティオキア総主教としての役割を担っています。彼の生涯は、教育と宗教、さらには音楽への情熱に満ちており、その業績は多岐にわたります。

初期の人生と教育

彼はアラビア語教師の父と敬虔な母親のもとで育ち、若い頃から教育に対する情熱を抱いていました。大学では土木工学を専攻し、同時にビザンティン聖歌に興味を持ち、聖歌隊を組織するなど、音楽と宗教の融合を目指しました。1978年には神学の学士号を取得し、その後、テッサロニキ大学にて奉神礼学の博士号を取得するに至りました。彼の博士論文は「聖洗礼儀 - 歴史・神学・奉神礼の研究」というタイトルであり、彼の学問的な業績を象徴しています。

聖職としての道

ユーハンナー10世は、1979年にラタキアで輔祭として叙聖され、その後1983年には司祭に任命されました。1995年にはアンティオキア総主教庁の聖シノドによって主教に選ばれ、2008年にはヨーロッパ府主教として着座しました。彼の聖職者としての経歴は、彼が持つ信仰の深さと責任感を物語っています。

教育者としての役割

ユーハンナー10世は教育者としての側面も持ち合わせており、バラマンド大学付属ダマスコのユーハンナー研究所で奉神礼学の教授として教鞭を執りました。1988年から1991年、及び2001年から2005年の間はその研究所の学部長としても活躍し、数多くの学生の指導にあたりました。また、修道院の指導にも力を入れ、レバノンの「バラマンド我等の女宰修道院」の修道院長やシリアの聖ジルジス修道院の修道院長としても重要な役割を果たしました。彼の指導の下、様々な修道院が運営され、宗教教育の普及に貢献したと言えます。

アンティオキア総主教として

2012年12月17日にアンティオキア総主教に選ばれ、2013年2月10日に正式に着座したユーハンナー10世は、現在までその職務を全うしています。彼のリーダーシップの下で、教会は信仰の深化とともに、地域社会への貢献も重視しています。特に、教育支援や文化活動の振興に力を入れ、信徒の精神的な支えとなるよう努めています。

彼の歩みは、単に優れた聖職者としてだけでなく、教育者として、また音楽の守り手としても称賛されています。ユーハンナー10世の活動は、信仰だけでなく教育や文化の面でも広がりを見せており、彼の影響力は今後も続くことでしょう。

もう一度検索