イオンタウン宇多津
香川県綾歌郡宇多津町に位置する大規模な商業施設、イオンタウン宇多津。本稿では、その前身である宇多津ビブレの時代から現在に至るまでの変遷を詳述する。
宇多津ビブレは、1990年に「ニチイ宇多津ショッピングデパート」として計画され、1994年3月20日にマイカルのショッピングセンターとして開業した。衣料品、食料品、専門店、さらにはシネマコンプレックスやホテルまで備えた多機能型施設として、宇多津町の臨海部に賑わいをもたらす存在となることが目指された。運営元であるマイカルは2001年に経営破綻したが、その直前には一部のビブレをサティに転換する方針がありながら、宇多津ビブレはこの対象から外れていた。これにより、経営破綻時には四国地方で唯一残った「ビブレ」店舗となった。マイカルが2011年3月1日付でイオンリテールに吸収合併された後も、イオンリテールによる運営が続いた。最盛期には香川県内外からの集客力を持っていたものの、近隣の商業施設、特に同グループのイオンモール綾川（シネマコンプレックス併設）との競合などにより集客力が低下し、2007年頃からの売上低迷が深刻化した。1998年をピークとした売上は半分以下にまで落ち込み、この状況を受けて2013年8月には翌2014年2月末での閉鎖が報じられた。大規模な閉店セールを経て、予定通り2014年2月28日に店舗としての営業を終えた。併設のイオンシネマ宇多津は、当初は同時閉館の予定だったが、特別に3月16日まで営業が延長された。
宇多津ビブレに開業当初から併設されていた映画館は、「ワーナー・マイカル・シネマズ宇多津」として四国初のシネマコンプレックスとして誕生した。全国でも早い時期の導入事例（4番目）であった。2013年7月1日には合併により「イオンシネマ宇多津」に名称変更。宇多津ビブレ本体の閉館後も約2週間長く営業し、2014年3月16日に閉館。最終日には香川県ゆかりの映画『二十四の瞳』も特別上映された。約20年間の営業で約850万人の観客を迎え、特に1998年には年間65万人を動員した。さぬき映画祭の会場にも利用されていた。
宇多津ビブレ閉鎖から約3ヶ月後の2014年5月、跡地に後継となる複合商業施設を開発する計画がイオングループから示された。既存建物のうち映画館部分を除き解体し、イオンタウンを中心に、香川県発祥のスーパーマーケットであるマルナカを核とした新施設を建設する方針が打ち出され、地元要望も踏まえ映画館も復活させる見込みであると報じられた。この方針に基づき、2015年3月までに映画館部分を残して建物は解体された。マルナカに加え、ケーズデンキなどの大型テナントが入居することも同時期に伝えられた。同年9月15日、イオンタウンは「イオンタウン宇多津」として10月24日に開業することを正式発表。県内企業を含む多数の専門店や、地域特産に関連した飲食店の導入など、地域密着型の運営を目指す姿勢が示された。そして2015年10月24日、予定通り開業し、イオンシネマ宇多津も同時に営業を再開した。イオンタウンにおけるシネマコンプレックスの併設は、イオンタウン守谷に続き全国で2例目となる特徴を持つ。
イオンタウン宇多津は、敷地西側のモール部と南側の建物で構成される。モール部1階には核店舗のマルナカがあり、その他飲食店、ドラッグストア、衣料品店など多様な専門店が並ぶ。2階はケーズデンキが主要部分を占め、雑貨店や書籍店なども入居している。南側の建物にはイオンシネマが併設されているが、かつて存在したカラオケボックスやフィットネスジムは閉店している。近年では、四国初出店のバーガーキングや四国2号店のサイゼリヤなど、有名飲食チェーンの出店が続いている。敷地西側向かいには、旧ビブレ時代の第二立体駐車場が引き続き利用されている。
イオンタウン宇多津に併設されるシネマコンプレックスは、閉館した初代劇場と同じ「イオンシネマ宇多津」の名称で再開業した。地元からの強い要望もあり、イオンタウンの開業と同時に再始動に至った経緯を持つ。再開業に際し、内外装は全面的に改修されている。2016年以降は初代から引き続き、さぬき映画祭の会場として活用されている。一度閉館したシネマコンプレックスが、運営会社、名称、所在地、建物という主要な要素が同一のまま再開されることは、当時極めて珍しい事例であった。
宇多津ビブレには、開業当初からシティホテルが併設されていた。マイカル直営の「ホテルリゾナーレ宇多津」として営業を開始したが、マイカル破綻後に閉鎖。その後、ゼンエーフーズ運営の「ロイヤルプリンセス宇多津」として再開するも短期間で閉鎖。さらに地元の三貴商事が引き継ぎ「ホテルセントカテリーナ」として、その後は「うたづエンタープライズ」が運営したが、最終的に2012年8月末に3度目の閉鎖となった。三貴商事が近くで経営する結婚式場はホテル閉鎖後も営業を継続している。ホテルリゾナーレ時代にあった温水プールなどの施設は、後の運営者には引き継がれなかった。
宇多津ビブレの歴史
宇多津ビブレは、1990年に「ニチイ宇多津ショッピングデパート」として計画され、1994年3月20日にマイカルのショッピングセンターとして開業した。衣料品、食料品、専門店、さらにはシネマコンプレックスやホテルまで備えた多機能型施設として、宇多津町の臨海部に賑わいをもたらす存在となることが目指された。運営元であるマイカルは2001年に経営破綻したが、その直前には一部のビブレをサティに転換する方針がありながら、宇多津ビブレはこの対象から外れていた。これにより、経営破綻時には四国地方で唯一残った「ビブレ」店舗となった。マイカルが2011年3月1日付でイオンリテールに吸収合併された後も、イオンリテールによる運営が続いた。最盛期には香川県内外からの集客力を持っていたものの、近隣の商業施設、特に同グループのイオンモール綾川（シネマコンプレックス併設）との競合などにより集客力が低下し、2007年頃からの売上低迷が深刻化した。1998年をピークとした売上は半分以下にまで落ち込み、この状況を受けて2013年8月には翌2014年2月末での閉鎖が報じられた。大規模な閉店セールを経て、予定通り2014年2月28日に店舗としての営業を終えた。併設のイオンシネマ宇多津は、当初は同時閉館の予定だったが、特別に3月16日まで営業が延長された。
初代イオンシネマ宇多津
宇多津ビブレに開業当初から併設されていた映画館は、「ワーナー・マイカル・シネマズ宇多津」として四国初のシネマコンプレックスとして誕生した。全国でも早い時期の導入事例（4番目）であった。2013年7月1日には合併により「イオンシネマ宇多津」に名称変更。宇多津ビブレ本体の閉館後も約2週間長く営業し、2014年3月16日に閉館。最終日には香川県ゆかりの映画『二十四の瞳』も特別上映された。約20年間の営業で約850万人の観客を迎え、特に1998年には年間65万人を動員した。さぬき映画祭の会場にも利用されていた。
イオンタウン宇多津の開業
宇多津ビブレ閉鎖から約3ヶ月後の2014年5月、跡地に後継となる複合商業施設を開発する計画がイオングループから示された。既存建物のうち映画館部分を除き解体し、イオンタウンを中心に、香川県発祥のスーパーマーケットであるマルナカを核とした新施設を建設する方針が打ち出され、地元要望も踏まえ映画館も復活させる見込みであると報じられた。この方針に基づき、2015年3月までに映画館部分を残して建物は解体された。マルナカに加え、ケーズデンキなどの大型テナントが入居することも同時期に伝えられた。同年9月15日、イオンタウンは「イオンタウン宇多津」として10月24日に開業することを正式発表。県内企業を含む多数の専門店や、地域特産に関連した飲食店の導入など、地域密着型の運営を目指す姿勢が示された。そして2015年10月24日、予定通り開業し、イオンシネマ宇多津も同時に営業を再開した。イオンタウンにおけるシネマコンプレックスの併設は、イオンタウン守谷に続き全国で2例目となる特徴を持つ。
テナント構成
イオンタウン宇多津は、敷地西側のモール部と南側の建物で構成される。モール部1階には核店舗のマルナカがあり、その他飲食店、ドラッグストア、衣料品店など多様な専門店が並ぶ。2階はケーズデンキが主要部分を占め、雑貨店や書籍店なども入居している。南側の建物にはイオンシネマが併設されているが、かつて存在したカラオケボックスやフィットネスジムは閉店している。近年では、四国初出店のバーガーキングや四国2号店のサイゼリヤなど、有名飲食チェーンの出店が続いている。敷地西側向かいには、旧ビブレ時代の第二立体駐車場が引き続き利用されている。
2代目イオンシネマ宇多津
イオンタウン宇多津に併設されるシネマコンプレックスは、閉館した初代劇場と同じ「イオンシネマ宇多津」の名称で再開業した。地元からの強い要望もあり、イオンタウンの開業と同時に再始動に至った経緯を持つ。再開業に際し、内外装は全面的に改修されている。2016年以降は初代から引き続き、さぬき映画祭の会場として活用されている。一度閉館したシネマコンプレックスが、運営会社、名称、所在地、建物という主要な要素が同一のまま再開されることは、当時極めて珍しい事例であった。
ホテル部（宇多津ビブレ時代）
宇多津ビブレには、開業当初からシティホテルが併設されていた。マイカル直営の「ホテルリゾナーレ宇多津」として営業を開始したが、マイカル破綻後に閉鎖。その後、ゼンエーフーズ運営の「ロイヤルプリンセス宇多津」として再開するも短期間で閉鎖。さらに地元の三貴商事が引き継ぎ「ホテルセントカテリーナ」として、その後は「うたづエンタープライズ」が運営したが、最終的に2012年8月末に3度目の閉鎖となった。三貴商事が近くで経営する結婚式場はホテル閉鎖後も営業を継続している。ホテルリゾナーレ時代にあった温水プールなどの施設は、後の運営者には引き継がれなかった。
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