イオンベーカリーシステム

イオンベーカリーシステム株式会社

イオンベーカリーシステム株式会社は、かつて千葉県千葉市美浜区に本社を置いていた、イオングループの一員である製パン会社です。主に、イオングループが展開する店舗内に設置されたインストアベーカリー事業を手がけていました。

設立経緯

同社の起源は2007年に遡ります。同年1月16日、イオンベーカリーシステムは有限会社ジョイ・コパン（三重県四日市市）から、イオングループ店舗内で展開されていたインストアベーカリー事業の営業権を譲り受ける形で設立され、営業活動を開始しました。これにより、イオングループの店舗ネットワークにおける製パン機能の一角を担うこととなりました。

設立時の経営陣は、代表取締役に玉谷幹夫氏、そして事業譲渡元であるジョイ・コパンの社長を務めていた樋口豪男氏が執行役員に就任しました。これは、旧ジョイ・コパンが培ってきたインストアベーカリー事業のノウハウを円滑に引き継ぐための人事と言えます。

「パン工場」ブランドの展開

イオンベーカリーシステム株式会社が中心的に運営していたインストアベーカリーの主要な店舗ブランドは、「パン工場」でした。このブランド名のもと、店内で焼き上げた焼きたてのパンを顧客に提供していました。

「パン工場」ブランドの店舗は、イオンベーカリーシステム自身が運営するもののほか、イオングループ内の他の地域会社が同じ「パン工場」の名称で出店するケースも見られました。また、状況に応じて「パン工場」以外の独自のブランド名でインストアベーカリー事業を展開することもあったようです。

さらに、「パン工場」ブランドの店舗運営においては、外部の製パン企業がフランチャイズ（FC）方式で参加する事例も存在しました。例えば、リョーユーパンなどがフランチャイズ加盟者として「パン工場」の店舗を運営したことがあります。このようなFC店舗の場合、販売されるパンに貼付される製造者情報の表示において、実際にパンを製造・提供しているフランチャイジーの名前ではなく、出店しているイオンなどの商業施設の運営会社名が記載される運用がなされることもありました。

マイカルカンテボーレとの合併

イオンベーカリーシステム株式会社は、比較的短い期間でその組織としての役割を終えることになります。イオングループによるマイカルの買収に伴うグループ全体の事業再編の一環として、製パン事業の統合が図られました。

2011年3月1日、イオンベーカリーシステム株式会社は、旧マイカルグループの製パン会社であった株式会社マイカルカンテボーレと合併しました。マイカルカンテボーレは「カンテボーレ」という店舗ブランドを展開していました。この合併により、両社のインストアベーカリー事業は統合され、新たに「イオンベーカリー株式会社」が発足しました。法的には、株式会社マイカルカンテボーレが存続会社となり、イオンベーカリーシステム株式会社が消滅する形での合併でした。この統合は、イオングループにおける製パン事業を一元化し、運営の効率化を目指すものでした。

こうして、2007年に事業を承継して設立されたイオンベーカリーシステム株式会社は、約4年間の活動期間を経て、後継会社であるイオンベーカリー株式会社へ事業を引き継ぎ、その法人格は消滅しました。

沿革

2007年1月16日：有限会社ジョイ・コパンよりインストアベーカリー事業を譲り受け、イオンベーカリーシステム株式会社として設立、営業開始。
2011年3月1日：株式会社マイカルカンテボーレを存続会社として合併し、イオンベーカリー株式会社が発足。

関連項目

イオンベーカリー
パン工場（曖昧さ回避）

外部リンク

* イオンベーカリーシステム - ウェイバックマシン（2010年12月9日アーカイブ分）

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