イギリスの列車運行会社一覧

イギリスの列車運行会社と貨物輸送会社

1994年、イギリス国鉄は民営化されました。これにより、鉄道インフラ管理と列車運行は分離され、上下分離方式が導入されました。旅客列車運行は、フランチャイズ制度に基づき、複数の列車運行会社(Train Operating Company, TOC)が担うことになりました。一方、貨物列車運行は貨物輸送会社(Freight Operating Company, FOC)が担当しています。

本稿では、民営化以降に存在したすべてのTOCと、現在運行しているFOCについて解説します。

列車運行会社 (TOC)

現行の列車運行会社

現在、イギリスでは多数のTOCが旅客列車を運行しています。地域や路線によって運営会社が異なり、多様なサービスを提供しています。代表的なTOCを以下に挙げます。

c2c:ロンドンとエセックスを結ぶ路線を運行しています。
TfLレール:ロンドンの近郊路線を運行しています。
アヴァンティ・ウェスト・コースト:ロンドンと北西部を結ぶ主要路線を運行しています。
アベリオ・グレーター・アングリア:東部イングランドの路線を運行しています。
アベリオ・スコットレール:スコットランドの主要路線を運行しています。
イースト・ミッドランズ・レールウェイ:イングランド中部地域を運行しています。
ウェスト・ミッドランズ・トレインズ:イングランド西中部地域を運行しています。
カレドニアン・スリーパー:夜行列車を運行しています。
グランド・セントラル:オープンアクセス事業者として運行しています。
グレート・ウェスタン・レールウェイ: (旧ファースト・グレート・ウェスタン)ロンドンと南西イングランドを結ぶ路線を運行しています。
クロスカントリー:長距離路線を運行する主要事業者です。
ゴヴィア・テムズリンク・レールウェイ:テムズリンク線を運行しています。
グレート・ノーザン:北部イングランドを運行しています。
サザン:ロンドン南部とサセックスの路線を運行しています。
ガトウィック・エクスプレス:ガトウィック空港とロンドンを結ぶ空港連絡列車を運行しています。
サウスイースタン:ロンドンと南東イングランドの路線を運行しています。
サウス・ウェスタン・レールウェイ:ロンドンと南西イングランドを結ぶ路線を運行しています。
チルターン・レールウェイズ:ロンドン近郊の路線を運行しています。
トランスペナイン・エクスプレス:イングランド北部と中部を結ぶ路線を運行しています。
トランスポート・フォー・ウェールズ:ウェールズを運行しています。
ノーザン・トレインズ:イングランド北部を運行しています。
ヒースロー・エクスプレス:オープンアクセス事業者として、ヒースロー空港とロンドンを結んでいます。
ハル・トレインズ:オープンアクセス事業者です。
マージーレール:マージーサイド地域を運行しています。
ユーロスター:オープンアクセス事業者として、ロンドンとヨーロッパ大陸を結んでいます。
ルモ:オープンアクセス事業者です。
ロンドン・オーバーグラウンド:ロンドンの近郊路線を運行しています。
ロンドン・ノース・イースタン・レールウェイ:ロンドンと北東イングランドの路線を運行しています。

消滅した列車運行会社

民営化以降、数多くのTOCが設立、合併、または運行停止となっています。その中には、かつてイギリスの鉄道を支えた会社も多く含まれています。

(例として一部を記載) wagn, アイランド・ライン, アリーヴァ系列、アングリア・レールウェイズ、イースト・コースト、ヴァージン系列、ウェールズ関連会社、ウェセックス・トレインズ、グレート・ウェスタン・トレインズ、グレート・ノース・イースタン・レールウェイ、コネックス系列、サウスイースタン(初代・2代目), サウスウェスト・トレインズ、シルバーリンク、スコットレール、セントラル・トレインズ、テムズトレインズ、テムズリンク、トランスポート・フォー・ウェールズ・レール・サービシス、ナショナル・エクスプレス系列、ノーザン系列、ヒースロー・コネクト、ファースト系列、マージーレール・エレクトロズ、ミッドランド・メインライン、レクサム&シュロップシャー、ロンドン・ミッドランドなど多数

運行開始予定の列車運行会社

将来、新たなTOCが運行を開始する予定です。

スコットレール・トレインズ

貨物輸送会社 (FOC)

イギリスの貨物鉄道輸送は、主に以下のFOCによって行われています。

DBシェンカー・レール: (旧イングランド・ウェルシュ・スコティッシュ鉄道 (EWS))
GB・レールフレート
コーラスレール
ダイレクト・レール・サービス
フレイトライナー・グループ
メンディップ・レール
* ユーロポルテ・チャネル

これらの会社は、多様な貨物を輸送し、イギリス経済を支えています。

まとめ

イギリスの鉄道事業は、民営化以降、多くの変化を経験しました。TOCとFOCの設立、合併、消滅は、競争と効率化を促す一方で、安定性やサービスの質に関する課題も生み出しています。今後も、イギリスの鉄道を取り巻く状況は変化し続けるでしょう。

もう一度検索