上下分離方式

上下分離方式とは

上下分離方式（じょうげぶんりほうしき）とは、鉄道や道路、空港などのインフラ管理において、施設管理を行う下部組織と、運行を担当する上部組織を明確に分け、会計も独立させる方式です。この方式は、効率的な運営を目指すための取り組みの一つであり、一般的には政府機関や公営企業がインフラを所有し、民間企業がそのインフラを使用して運行を行う形態が取られます。

日本における上下分離方式の導入

日本での上下分離方式の採用は、鉄道や道路、空港などさまざまな分野で見られます。特に鉄道では、JR貨物や青い森鉄道、南海空港線などが例として挙げられます。さまざまな形式が存在し、完全に分離された形や一部を保有する形態などが見られます。

例えば、土佐電気[[鉄道]]提出の資料によれば、完全分離型として「養老鉄道」「伊賀[[鉄道]]」「富山地方[[鉄道]]」などが紹介されており、一部保有型としては「若桜鉄道」「千葉都市モノレール」などが挙げられます。また、みなし上下分離として「上毛電気鉄道」「万葉線」なども存在します。

並行在来線の処遇

最近の事例として、西九州新幹線の建設に関連する経営分離問題があげられます。従来の長崎本線では経営分離に対する反対意見が強かったため、上下分離方式の導入により、運行の実現を図ったことが特徴的です。このように、地方自治体の反対を克服し、効率的な運営を実現する手法として上下分離方式は注目されています。

道路での適用例

道路においても、上下分離方式は確立されています。例えば、2005年以降に高速道路が日本高速[[道路保有・債務返済機構]]によって管理され、NEXCOのような会社がそれを借り受ける形態が取られています。このように、道路インフラの管理と運営を分離することにより、効率的な運用が進められています。

空港と航路

空港では、滑走路などの航空系事業を行政が行い、ターミナルビルなどを民間企業が運営するケースが一般的です。2013年以降、仙台[[空港]]の民営化などもこうした流れに属します。また、大分県では、大分港と大分空港間を結ぶホーバーアクセスが上下分離方式で運営される予定です。

海外における上下分離方式

ヨーロッパでは、EUの指導の下、多くの国の国有鉄道が上下分離されています。特にスウェーデンやフランスのように、裏方と表方の明確な会計分離を実施している国が多く見られます。またドイツやイギリスでは、複数の運行会社が参入するオープンアクセス型の上下分離方式が採用されています。

アメリカでも、アムトラックといった公共企業体による運行が行われ、貨物鉄道会社と連携する形で上下分離が行われています。このように、上下分離方式は国境を越えて、さまざまな交通インフラの効率化を図る手法として重要な役割を果たしています。

結論

上下分離方式は、インフラ利用の効率化と公私の協力による運営の透明性をもたらす重要な仕組みです。今後も、日本国内外でその適用範囲が広がり、より良い公共交通の実現が期待されます。

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