イギリス国鉄マーク3客車

イギリス国鉄マーク3客車について

イギリス国鉄マーク3客車（British Rail Mark 3）は、1975年から1988年にかけてイギリス国鉄が製造した重要な客車のシリーズです。この客車は、1963年に登場したマーク2客車の後継として設計され、トータル848両がダービー工場で生産されました。マーク3客車は、最高速度200km/hでの運転に対応した設計を持ち、主にインターシティー125（IC125）や機関車列車での運用向けに開発されました。現在でもイギリス内の多くの鉄道会社で使用されています。

導入の背景

マーク3客車の開発は、長距離列車の所要時間を短縮するための取り組みとして始まりました。1972年に登場した8両の試作車は、後にインターシティー125を構成する重要な車両となりました。また、電気機関車に牽引されるマーク3A客車も、1975年から量産が開始されました。これにより、電気機関車とディーゼル機関車の両方との連結が可能になり、多様な運用が実現しました。

設計と技術的特徴

マーク3客車は、先代のマーク2とは異なる完全新設計が特徴です。その外観は、側窓の固定化や空調の標準装備が施されていますが、特に屋根部の突起が目を引きます。全長は23メートルで、耐衝撃性の高いモノコック構造を採用しています。加えて、BT10ボギー台車には現代的な技術が導入され、軸ボックス支持機構やディスクブレーキが搭載されています。

さらに、マーク3では客車内の冷房装置やサービス機器の配置が工夫されており、エアコンや照明用の電源供給方式も多様で、状況に応じた効率的な運用が可能になっています。自動貫通扉や集中制御式の自動ロック機構も取り入れられ、安全性や快適性が向上しています。

運用の変遷

マーク3客車は、民営化後も各種列車で広く運用されています。運用会社には、チルターン・レイルウェイズ、イースト・ミッドランズ・レールウェイ、グレート・ウェスタン・レールウェイなどがあり、過去にはイギリス国鉄やナショナル・エクスプレス・イースト・コーストなどが運行を行っていました。様々な改装や修繕を受けつつ、現在も活躍し続けています。

また、特別客車として、1977年には英国王室用のお召し列車が運用され、マーク3客車も利用されました。運用会社の中には、客車を装備した特別な列車を運行するところもあります。

結論

マーク3客車は、イギリスの鉄道史において重要な役割を持つ車両として、多くの鉄道運行会社に今なお親しまれています。その高い性能や設計の工夫により、長距離輸送の効率化に寄与し続けているのです。近年も新たな技術が導入され、今後どのように進化していくのか、非常に興味深いところです。

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