イギリス海外福音伝道会

イギリス海外福音伝道会（Society for the Propagation of the Gospel in Foreign Parts, SPG）は、1701年に英国国教会（聖公会）によって設立された、海外宣教を目的とする団体です。様々な名称で呼ばれており、英国福音伝播会社、英国聖公会宣布協会、英国聖公会福音宣布協会などとも訳されます。現在は、United Society Partners in the Gospel（USPG）という名称で活動しています。

歴史

1701年、英国国王の勅許を得て設立されました。設立当初の目標は二つあり、一つは海外にいる英国人教会のために宣教師を派遣すること、もう一つは全世界の異教の民族をキリスト教化することでした。この目標を掲げ、SPGは世界各地に宣教師を派遣し、キリスト教の普及に尽力しました。

日本での活動

日本への宣教活動は、1873年（明治6年）に始まりました。アレクサンダー・クロフト・ショーとW・B・ライトの二人の宣教師が派遣され、まず三田寺町の大松寺に滞在、その後築地居留地に拠点を移しました。

ショーは、英国公使館付牧師に任命され、東京在住の英国人の信仰生活を指導する役割を担いました。また、ショーとライトは、赤坂区（現在の港区）赤坂の陽泉寺で、日本で最初の英語による礼拝を開始しました。これは、日本におけるキリスト教の普及の重要な一歩となりました。

1876年（明治9年）には、ヒュー・ジェームス・フォスが日本に派遣され、神戸で伝道活動を開始しました。フォスは、1892年（明治25年）に女性宣教師H.M.バーケンヘッドと協力して、神戸市北野町に松蔭女学校（現在の松蔭中学校・高等学校）を創立しました。松蔭女学校は、キリスト教に基づく女子教育機関として、多くの人材を育成し、日本の女子教育の発展に貢献しました。

SPGの日本での活動は、単にキリスト教を普及させるだけでなく、教育や社会福祉の分野にも貢献しました。宣教師たちは、病院や学校を設立し、医療や教育の普及に尽力しました。これらの活動は、日本の近代化に大きな影響を与えました。

SPGは、その活動を通して、日本とイギリスの文化交流を促進し、両国の友好関係の構築にも貢献しました。

参考文献

守部喜雅『日本宣教の夜明け』〈フォレストブック〉いのちのことば社、2009年
高橋昌郎『明治のキリスト教』吉川弘文館、2003年

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