イギリス領インド洋地域の旗

イギリス領インド洋地域の旗は、1990年11月8日に制定されました。これは同地域の成立25周年を記念して、エリザベス2世女王の勅許に基づいて定められたものです。

デザインの特徴

旗のデザインは、イギリスの海外領土の旗によく見られるように、左上にはユニオンジャックが配置されています。これはブルー・エンサインを基にした旗によく見られる特徴です。しかし、他の海外領土の旗とは異なり、ユニオンジャック以外の部分は全面的な青一色ではありません。代わりに、青と白が交互に波打つ模様が描かれています。この波模様は、インド洋の海を象徴していると考えられます。

旗の右側中央には、イギリス領インド洋地域の紋章ではなく、地域のシンボルであるヤシの木と王冠が配置されています。このヤシの木は、地域の豊かな自然を象徴し、王冠はイギリスの主権を表しています。

波模様の謎

イギリス海外領土の旗の伝統を破って波模様が取り入れられた理由は、公式には明らかにされていません。しかし、この波模様がインド洋の海洋環境を象徴していることは、ほぼ間違いないでしょう。

旗の地位と使用状況

女王の勅許は、この旗を地域を統治する弁務官の旗として定めています。そのため、この旗は地域の半公式な旗としての地位を持っています。

ただし、イギリス領インド洋地域の中でも最大の島であるディエゴガルシア島は、1966年以降アメリカ合衆国に貸与され、海軍・空軍基地として利用されています。基地建設に伴い、諸島内の住民は1973年までに強制的に退去させられました。現在、同地域に居住しているのはアメリカ軍およびイギリス軍の軍人であり、一般の民間人が立ち入ることはできません。

このような状況から、この旗が実際に地域内で使用されているかどうかを確認することは困難です。しかし、ディエゴガルシア島のアメリカ海軍支援施設が公開しているビデオの中には、この旗が掲揚されている場面が見られます。また、ロンドンにあるイギリス外務英連邦省に事務所を構える同地域の弁務官が、この旗を使用していることが確認されています。

まとめ

イギリス領インド洋地域の旗は、ユニオンジャック、波模様、ヤシの木と王冠という独特のデザインが組み合わさった旗です。地域の歴史と環境を象徴するこの旗は、現在も弁務官によって使用され、一部の場面では地域内でも掲揚されています。

関連項目

国旗の一覧
イギリス領インド洋地域の紋章
* イギリスの旗の一覧

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