イシク・クル

イシク・クル湖の紹介

イシク・クル（ウイグル語: Йсйк-Көл‎、キルギス語: Ысык-Көл、ロシア語: Иссык-Куль）は、天山山脈の北側に位置するキルギスの内陸湖です。この湖の名前は「熱い湖」を意味し、長さ182km、幅60km、面積は6,236 km²と広大で、周囲は688kmにも達します。これは琵琶湖の約9倍にあたります。イシク・クル湖の最大深度は668mであり、標高1,606mの高所にあるため、気候条件にも特徴があります。

地理的な特徴

イシク・クル湖は古代湖として知られており、世界で2番目に大きい高山湖です。周囲からはさまざまな河川が流れ込みますが、湖から流出する河川は存在しません。湖の塩分濃度は0.6%程度で、透明度は20mを超えます。冬季は厳寒であるものの、夏は水温が20度、冬でも水温は3度まで下がるのが特徴です。興味深いことに、湖面は冬季でも凍結しないため、その原因として湖底から温泉が湧出している可能性が考えられています。

観光と歴史

ソビエト連邦時代には、イシク・クル周辺に鉱山が多く存在していたため、外国人の湖畔立ち入りは禁止されていました。しかし、キルギスの独立後、この美しい湖は観光資源としての活用が進められています。イシク・クル湖の湖底には多くの遺跡が見つかっており、湖畔の砂浜には陶器などが流れ着くことがあります。これらの遺跡の存在理由は謎に包まれており、いくつかの潜水調査によって、多様な時代の遺跡があることが判明しています。その中には、かつて湖畔に存在した烏孫の赤谷城も含まれています。

歴史文献によれば、16世紀ころまでこの湖には島が存在し、その島には城があったとも言われていますが、今ではその面影もありません。

生態系の保護

イシク・クル湖は、自然保護の観点からも注目されています。毎年冬には様々な渡り鳥が湖を訪れ、カオジロオタテガモなど、最大70,000羽が集まることで知られています。また、湖中には7種の固有種を含む28種の魚類が生息しています。2001年にはユネスコの生物圏保護区に登録され、2002年にはラムサール条約にも参加しました。さらに、同様に1976年にもラムサール条約に登録されていましたが、1990年にモントルーレコードに追加されています。

イシク・クル湖はその美しさと生態系の豊かさ、さらに謎に包まれた歴史的な遺跡によって、多くの人々を魅了し続けています。

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