イシマンガリソ湿地公園

イシマンガリソ湿地公園: 南アフリカの自然の奇跡

南アフリカ共和国のクワズール・ナタール州に位置するイシマンガリソ湿地公園は、独特の生態系と豊かな自然が魅力の保護区です。この公園はダーバンから北に275kmの距離にあり、面積は3280平方キロメートルに及ぶ大規模な原生生態系を有しています。公園はEzemvelo KZN Wildlifeによって管理されており、13の自然保護区と複合する形で形作られています。特にフォールス湾公園やソドワナ湾国立公園など、世界遺産に登録されたエリアが含まれています。

湿地公園の名の由来

イシマンガリソとはズールー語で「驚異」という意味を持ち、かつては「グレーター・セント・ルシア湿地公園」と呼ばれていましたが、2007年に現在の名称に改称されました。公園は、南北450kmにも及ぶ海岸線に位置し、モザンビーク国境からセント・ルシア河口のマペラネまでの範囲が含まれています。

生態系の多様性

イシマンガリソ湿地公園は多様な生態系から成り立っており、特にアフリカ最大の干潟が広がっています。ここでは、湿原、砂丘、森林、湖などがあり、それぞれに特有の動植物が生息しています。

• - 海洋生態系: インド洋のアガラス海流が流れ、豊かなサンゴ礁が広がる地域です。
• - 東岸生態系: 亜熱帯の森林や草原、湿原が混在するエリアです。
• - 湖群生態系: セント・ルシア湖やコシ・バイ湖を中心に、淡水湖が点在しています。
• - 湿原生態系: ムクゼ湿原とウムフォロジ湿原が広がり、多様な植物が茂っています。
• - 西岸生態系: 乾燥したサバナの森林が特徴なエリアです。

それぞれの生態系は独立しているものの、相互に影響を与え合いながら存続しており、マプタランド固有植物種センターに位置するため、生物多様性が特に豊かです。

住む生物たち

イシマンガリソ湿地公園には530種以上の鳥類が生息し、特に珍しい生物や絶滅危惧種の生息地として知られています。例えば、コシベニペリカンやコフラミンゴ、マダガスカルウミワシなどが見られ、南アフリカで最もカバの個体数が多い場所でもあります。また、2001年にはゾウの再導入も行われ、自然環境における生物の多様性と生態系の再生が進められています。

さらに、イシマンガリソは「生きている化石」として知られるシーラカンスの生息域でもあり、科学的にも注目されています。この魚は1938年に初めて発見されて以来、まだ数少ない生存個体が確認されています。

歴史的背景

セント・ルシアという名前は1554年にポルトガル船によって名付けられ、その後多くの歴史的出来事を経て、1822年には英国の街区に指定されました。1986年には重要な湿地帯としてラムサール条約に登録され、国際的な保護が進められています。

世界遺産としての登録

イシマンガリソ湿地公園は1999年に世界遺産に登録され、2008年には名称変更に伴い、再登録されました。この公園はその自然美、独自の生態系、豊かな生物多様性を備えていることから、特に重要な自然保護地域とされています。

これらの要素を総じて、イシマンガリソ湿地公園は南アフリカの自然遺産の中でも特に重要な場所であり、今後もその価値が保全されることが期待されています。

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