イストチニ・モスタル

イストチニ・モスタル：分断された地の小さな自治体

イストチニ・モスタル（セルビア語: Источни Мостар / Istočni Mostar）は、ボスニア・ヘルツェゴビナのスルプスカ共和国に位置する基礎自治体です。この地域は、複雑な歴史的背景を持ち、紛争によって分断されたモスタルの一部という特徴があります。

歴史的背景

紛争以前、この地域は統一されたモスタル基礎自治体の一部でした。しかし、1990年代のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争によって、モスタルは二つに分断されました。一方はボスニア・ヘルツェゴビナ連邦に属するモスタル自治体、もう一方がスルプスカ共和国に属するイストチニ・モスタルです。

2004年までは、イストチニ・モスタルはスルプスキ・モスタル（Српски Мостар / Srpski Mostar）と呼ばれていました。しかし、ボスニア・ヘルツェゴビナ憲法裁判所は、この名称が憲法に違反すると判断し、現在のイストチニ・モスタルへと改称されました。

地理と位置

イストチニ・モスタルは「東モスタル」を意味します。興味深いことに、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側のモスタルの東部もまた「東モスタル」と呼ばれることがありますが、これらは異なる地域を指します。スルプスカ共和国に属するイストチニ・モスタルは、独立した自治体としての地位を持っています。

人口と村落

イストチニ・モスタル自治体に含まれる村落は、ジイェムリェ（Zijemlje）のみです。この村には主にセルビア人が居住しており、人口はわずか150人程度です。1991年の国勢調査によると、ジイェムリェには153人が居住し、その内訳はセルビア人が96人（63%）、ムスリム人が57人（37%）でした。紛争の影響により、人口構成は大きく変化したと考えられます。

政治と行政

イストチニ・モスタルはスルプスカ共和国の地方行政区画の一部であり、トレビニェ地方に属しています。自治体としての機能は限られており、小規模なコミュニティとして運営されています。

関連情報

より詳細な情報については、以下の項目も参照してください。

スルプスカ共和国の地方行政区画
モスタル

イストチニ・モスタルは、ボスニア・ヘルツェゴビナの複雑な歴史と民族構成を象徴する場所の一つです。紛争の傷跡を残しつつも、住民たちはそれぞれの生活を営んでいます。

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