トレビニェ

ボスニア・ヘルツェゴビナの古都、トレビニェ

トレビニェは、ボスニア・ヘルツェゴビナのスルプスカ共和国に属する都市であり、ヘルツェゴビナ地方の南東部に位置しています。アドリア海から内陸へ約10数km入った場所にあり、豊かな自然と歴史的な景観が調和した美しい街です。

地勢と歴史

トレビニェは、トレビシュニツァ川のほとりに位置し、周辺には製粉所や橋が点在しています。中でも、オスマン帝国時代に建設されたアルスラナギッチ橋は、歴史的な価値を持つ建造物として知られています。トレビシュニツァ川は水力発電にも利用されており、町の南西部を流れるポポヴォ・ポリェを潤しています。

この地には、15世紀に遡る正教の修道院をはじめ、多くの教会や修道院が建立されています。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時には、大規模な被害を免れたものの、オスマン帝国時代のモスクなど一部の建築物が破壊されましたが、近年、帰還したボシュニャク人コミュニティによって再建が進められています。

トレビニェの歴史は古く、その名はビザンツ帝国時代のトラヴニアに由来します。9世紀半ばには、セルビア人によって都市国家としての権利が与えられ、その後、セルビア帝国、中世ボスニア王国の支配を経て、1482年にオスマン帝国の支配下に入りました。オスマン帝国時代には、旧市街であるカステルが建設され、城壁や広場、モスクなどが整備されました。

1878年から1918年まではオーストリア＝ハンガリー帝国の支配下となり、この間に町の近代化が進められました。丘の上に要塞が築かれ、駐屯地が置かれたほか、主要な通りや広場、公園、学校、タバコ農園などが造られました。1945年以降のユーゴスラビア社会主義連邦共和国時代には、水力発電ダムや人造湖、トンネルなどの開発が進められ、工業化とともに人口が増加しました。

文化と観光

トレビニェには、コソボのグラチャニツァ修道院を模して2000年に完成したヘルツェゴヴィナ・グラチャニツァ修道院があり、市街地を見下ろす丘の上に位置しています。また、毎年8月には、恒例の音楽祭「Music & More SummerFest」が開催され、コンサートや世界的な音楽家によるアカデミーが開かれます。

スポーツ

サッカークラブチームのFKレオタル・トレビニェが、プレミイェル・リーガに所属し、トレビニェを本拠地としています。

トレビニェ出身の著名人

ウラジミール・ラドマノビッチ（プロバスケットボール選手）
ミヤト・ガチノヴィッチ（プロサッカー選手）
アスミル・ベゴヴィッチ（プロサッカー選手）
ナタシャ・ニンコヴィッチ（女優）
* ティヤナ・ボシュコビッチ（バレーボール選手）

ギャラリー

(ギャラリーの画像は省略)

トレビニェは、その豊かな歴史と文化、美しい自然景観が魅力的な都市です。ボスニア・ヘルツェゴビナを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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