『イストワール』は、t-k氏が制作した
RPGツクール2000製のフリーロールプレイングゲームです。
2004年8月10日に公開されたver2.0から、ARA氏によるBGMとフルヲ氏による
キャラクターグラフィックが採用され、ゲームの魅力が大幅に向上しました。最新版は同年
10月28日公開のver2.03で、
2016年1月9日には修正
パッチver2.03k102が公開されています。もぐらゲームスの記事では、ver2.0以降、「多くの
フリーゲーム好きに長らく遊ばれてきた名作」と評されています。
ゲーム概要
本作は、
ダンジョン探索をメインとしたフリーシナリオRPGで、「奥行きのあるストーリーと自由度の高いゲームシステム」が特徴です。プレイヤーは、世界崩壊の原因を突き止め、それを阻止するという目的を持ちます。
主人公を含む8人の
キャラクターは、館主に招かれ、世界を救う使命を託されますが、その館主は行方不明。世界の崩壊は進行し、外部との交流も困難な状況に。
主人公は偶然手に入れた力を使って、崩壊の原因を探るべく冒険を繰り広げます。
ゲームシステムの大きな特徴は、フィールド上での経過時間に応じて世界の崩壊が進む点です。この崩壊の進行度によって様々なイベントが発生し、イベントの内容にも影響を与えます。ただし、時間制限は「かなりの余裕が設けられている」ため、焦らずにプレイできます。
戦闘は、シンボルエンカウントによるコマンド選択式のターン制バトルです。仲間を増やすには、「同調の像」を「大結晶石」で起動させる必要がありますが、入手可能な「大結晶石」の数は限られており、一度パーティメンバーを決定すると変更できないため、慎重な選択が求められます。
主人公: 物語の途中で館にやってきた青年。「大結晶石」を消費することで技能を習得しますが、一度選択すると変更できません。
グヴァリフ: 武芸を極めた老
竜。全体攻撃のブレスや高い防御力、魔法攻撃への耐性を持ちますが、装備の選択肢が限られ、状態異常に弱いという弱点もあります。
アレクサンダー: 全身鎧を装備した戦士。装備する武器によって様々な技能を使うことができます。
ジャネット: 回復魔法と武器による攻撃を得意とする戦巫女。
レスター: 呪いによって不死身となった男。毎ターン体力が回復し、戦闘不能になっても復活しますが、殺戮衝動によって行動不能になることもあります。吸収や状態異常系の技能が得意です。
シェーラ: 肉体を離れた幽体のため、物理攻撃に強い
魔法使いの女性。武器による攻撃は苦手です。
葬儀屋: 二刀流で近接戦を得意とする男。防御力は低いという欠点があります。
セラフィ: 光魔法と全体回復、蘇生魔法を得意とする司書官。攻撃力は低いです。
女の子: 館でメイドとして働く少女。
制作背景
本作は、同じくRPGツクール2000製のゲーム『Nepheshel』から強い影響を受けており、ARA氏とフルヲ氏は『Nepheshel』のスタッフでもあります。Studio Tilのウェブサイトでは、『Nepheshel』の姉妹作品として紹介されています。作者のt-k氏は、本作の「核心となるギミック」を思いついたことが制作のきっかけだと語っています。また、ゲームシステムについては「一つのことをするのに複数の方法」を目標としたため、バグに苦労したものの、自由度の高い作品になったと述べています。武具の設定が好きだったため、作中には多くの個性的な装備品が登場します。
評価
Yahoo! BBの「ブロ番ガイド」では、シナリオに縛られずダンジョンを探索できる自由度の高さが魅力として評価されており、世界の崩壊が進行するシステムは、プレイヤーに緊張感を与える演出として評価されています。
ベクターの「新着ソフトレビュー」では、「楽しみ方が一通りではない」点が本作の面白さであり、ダンジョン探索の楽しさも魅力だと評されています。
もぐらゲームスでは、「広大なフィールドマップを歩き回り、アイテムを手に入れ、そして世界の謎を解く」という宝探しのようなゲームであると評されています。
Crowdrive Gamesでは、神秘的な世界と広大なマップが特徴の壮大なRPGと評されており、武器や防具の相性を考慮し、組み合わせを考える戦闘システムも評価されています。
影響
『魔王物語物語』の作者てつ氏は、『イストワール』から影響を受け、特に「広大な世界を歩いて読み解いていくという点」を参考にしたと述べています。
『らんだむダンジョン』の作者はむすた氏も、『イストワール』から影響を受け、開発当初は『イストワール』のような作品を目指していたと語っています。
『四月馬鹿達の宴』の作者yn氏は、本作を意識して「ネタがかぶらないようにと思っていたら変に奇を衒った感じになってしまった」と語っています。
外部リンク
イストワール(公認サポートページ)
イストワール - ウェイバックマシン(2004年9月30日アーカイブ分)
趣味工房にんじんわいん
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