イタリアの警察

イタリアの警察機構について

イタリアの警察機構は、法律を実施し、公共の安全を維持するために、多数の異なる機関が協力して活動しています。この国の法執行機関は、組織間の重複が見られることから、非常に複雑かつ多様です。具体的な組織には、カラビニエリ（国家憲兵）、国家警察（文民警察）、財務警察、監獄警察の四つがあり、さらに地方自治体による地方警察や自治体警察も存在します。

カラビニエリ (Arma dei Carabinieri)

カラビニエリはイタリアの国家憲兵で、国防省に属しています。約11万人の隊員を抱え、1814年に設置されました。その歴史はサルデーニャ王国にまで遡り、軍事機関としても機能します。特に、国内外の重要な任務を担当し、軍事活動にも従事しています。国内においては、環境保護や重要事件の捜査を行い、特殊部隊や儀仗兵部隊も有しています。制服は黒を基調とし、緊急通報の番号は112です。

森林警備隊 (Corpo forestale dello Stato)

森林警備隊は、かつて農業食料森林省の下にあった組織で、2016年に解散し、その機能はカラビニエリに統合されました。主に環境保護や野生生物の保護、山火事の消火活動を担当し、特に火災捜査の能力がありました。緊急の連絡用の番号は1515です。

国家警察 (Polizia di Stato)

国家警察は内務省に属し、約9万人が在籍する文民組織です。1852年に設立され、以来数多くの変遷を経ています。軽犯罪から交通事案、インターネット犯罪に至るまで広範な任務を持っていて、特殊部隊や移動部隊も擁しています。制服は紺色であり、緊急連絡は113に設定されています。

財務警察 (Guardia di Finanza)

財務警察は、経済財政省の下で主に税関や経済犯罪関連の業務を行う機関です。1774年に設立され、現在約6万3千人が働いています。偽造や脱税、防止に努める他、国境と海上の警備も行います。この機関は準軍事的な特性を持っており、第一次および第二次世界大戦にも参加しました。緊急通報番号は117です。

監獄警察 (Polizia penitenziaria)

監獄警察は司法省に属し、刑務所の管理や受刑者の移送を担当する文民組織です。約3万8千人の人員をもち、1990年に設立されました。日本での刑務官に相当する役割を果たしています。

地方警察および自治体警察

地方警察は主に地方の違法行為を取り締まる機関で、自治体警察は軽犯罪や反社会的行為の取り締まりを行っています。また、イタリア沿岸警備隊は海軍傘下で海上の治安維持を行い、密輸などの捜査は財務警察が担当しています。

教育と機材

イタリアの警察機関は、長年にわたって外国メーカーの車両を導入しています。近年では日本の自動車メーカーの導入が増え、不明確な時代に多様な機材が使われています。航空機も多様で、環境に応じた仕様が求められています。

このように、イタリアの警察機関は歴史的背景や役割の多様性から、非常に興味深い組織構造を持っており、人々の安全を守るために常に努力し続けています。

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