イタリア東方学研究所

イタリア東方学研究所 (ISEAS)

イタリア東方学研究所（Scuola Italiana di Studi sull’Asia Orientale）は、日本を拠点として研究活動を行うイタリア人研究者を支援することを主な目的とする学術機関です。一般には略称であるISEAS、または英語名 Italian School of East Asian Studies として知られています。また、過去には「イタリア国立東方学研究所」と称されることもありました。この研究所が焦点を当てるのは、人文科学および社会科学の広範な分野であり、日本に関するイタリアからの視点での研究を深く掘り下げるための基盤を提供しています。

設立と所在地

ISEASの歴史は、1982年に始まります。この年、京都にあったイタリア文化会館の京都部門の中に設立されました。その後、現在の京都市内の場所に移転し、フランス極東学院（École française d'Extrême-Orient, EFEO）が所有する施設内に拠点を構えています。EFEOの施設を利用していることは、日仏伊間の学術的な協力関係を示す具体的な例の一つと言えるでしょう。

支援体制と連携

本研究所の運営は、イタリア本国の複数の大学によって支えられています。特に、イタリア南部カンパニア州の中心的な大学であるナポリ大学をはじめとする同地域の大学からの財政的、学術的な支援を得ることで、研究者へのサポート体制を維持しています。また、ISEASは国内外の主要な研究機関と密接な連携を築いています。拠点を共有するフランス極東学院とは日常的な協力関係があり、さらに日本の著名な学術機関である京都大学人文科学研究所とも共同での研究活動や学術交流を推進するための協力体制を構築しています。これらの連携は、所属する研究者にとって、多様な研究資源へのアクセスや国際的な研究ネットワークへの参加機会をもたらしています。

活動の推移

研究所の活動には、特定の期間に重点的な支援がなされた時期があります。特に、2001年から2012年にかけての期間は、当時のイタリア・アフリカ・東方学研究所（IsIAO）や、イタリアの外務・国際協力省（Ministero degli Affari Esteri e della Cooperazione Internazionale）からの支援のもと、その研究および支援活動がより活発に展開されました。これらの支援は、研究所の発展において重要な役割を果たしました。

研究所の意義

イタリア東方学研究所は、日本において人文・社会科学分野の研究を行うイタリア人研究者にとって不可欠な存在です。研究環境の整備、資料収集の支援、研究者間の交流促進などを通じて、彼らが日本に関する独自の視点からの研究成果を生み出すことを後押ししています。さらに、フランス極東学院や京都大学といった国内外の機関との連携を通じて、国際的な学術協力の一翼を担い、日本とイタリア間の学術交流を深める上での重要な橋渡し役を果たしています。東洋学、特に日本研究分野におけるイタリアからの貢献を支え、国際的な学術ネットワークにおけるその存在感を高める機関と言えます。

（参考：公式ウェブサイト等の情報も研究所の活動内容を理解する上で有用です。）

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