イッズッディーン・アル＝カッサーム旅団

イッズッディーン・アル＝カッサーム旅団について

イッズッディーン・アル＝カッサーム旅団（كتائب عز الدين القسام）は、パレスチナのスンナ派イスラム原理主義組織ハマースの軍事部門です。この団体は、1930年代のジハード闘士イッズッディーン・アル＝カッサームにちなんで名付けられています。兵力は15,000～40,000人程度で、前身の「パレスチナのジハード戦士たち」が1991年に改称されて設立されました。

名称と歴史

イッズッディーン・アル＝カッサーム旅団の名称は、1930年代にパレスチナで活動した宗教家に由来します。旅団の正式名称は「殉教者イッズッディーン・アル＝カッサーム旅団」であり、メディアなどでは「カッサーム旅団」とも呼ばれています。この名称には、構成員が着用する緑色やカーキ色のヘッドバンドが影響を与えています。

旅団の前身となる組織は1948年以降、特にガザ地区で広がりを見せたムスリム同胞団です。彼らは、非合法化されたエジプトの状況を受け、1952-1954年頃から軍事部門を秘密裏に設立し、第一次中東戦争に参加しています。その後、1984年に設立された武装組織が原型となり、1987年からのインティファーダを経て勢力を拡大しました。

現在の組織構成

イッズッディーン・アル＝カッサーム旅団は、確立された指揮体制を持ち、分隊から旅団単位で組織化されています。各旅団はさらに複数の大隊に分かれ、戦闘員は主に地理的な地域によって彼らの所属が決まります。2023年10月時点では、ムハンマド・デイフが旅団の司令官を務め、プロパガンダとしての役割も果たしています。

旅団の兵士は戦闘訓練を受け、地下トンネルを利用した攻撃を行うことが特徴で、部隊はガザ地区に密接に結びついています。また、旅団は自作兵器や他国から供給を受けた武器を駆使し、自衛や攻撃に特化した戦略を構築しています。

地域拠点と兵力

イッズッディーン・アル＝カッサーム旅団には、ガザ地区を中心に設けられた複数の地域部門があり、地域ごとに異なる任務を持っています。主にガザ、ハーンユニス、ラファフなどに拠点を構え、時には学校やモスクを利用するなど地元住民に密接に関連しています。

戦闘員の数は2008年に20,000人、2019年には30,000人を超えており、武装戦闘員や予備軍も存在します。主な武器としては自動小銃、ラクポケット・ロケット、迫撃砲などがあり、詳細な兵器のリストも公表されています。

結論

イッズッディーン・アル＝カッサーム旅団は、ハマースの軍事活動の中核を成す組織であり、国際的な視点からも注目されています。彼らは、地域の安定や結果に大きな影響を与える存在であるため、その動きは今後も注意が必要です。組織の歴史、構成、戦略は、長年にわたり進化しており、地域の政治情勢と深く関連していることが分かります。

もう一度検索