イトーヨーカドー弘前店

イトーヨーカドー弘前店：地域に愛された大型商業施設の歴史と終焉

イトーヨーカドー弘前店は、かつて青森県弘前市に存在した総合スーパーマーケットです。1976年10月1日に開業し、2024年9月29日に惜しまれつつ閉店しました。長年にわたり、弘前市民の生活に深く根ざした存在でしたが、時代の変化とともにその役割を終えました。

開業と全盛期

1976年、弘南バスが総工費約50億円を投じて建設した弘南ビルのテナントとして、イトーヨーカドー弘前店は華々しく開業しました。開業当日には4000人を超える人々が列をなし、入場者数は5万人を超えるほどの賑わいを見せました。弘前出身の女優、長内美那子さんが一日店長を務めたことも話題となりました。同年10月25日には1階に弘前バスターミナルが開業し、交通の要所としての役割も担いました。

地上8階、地下1階建ての建物は、当時弘前市最大級のショッピングセンターであり、展望エレベーター「スカイカプセル」が地下1階から地上8階を結んでいました。イトーヨーカドーが食品や衣料品などの生活必需品を提供し、専門店も多数入居。青森銀行弘前駅前支店も店舗の一角に構えられました。6階にはクリニックフロアと屋上遊園地、7階には催事フロアと貸し会議室、8階には展望レストランが設けられ、市民の憩いの場となっていました。

イトーヨーカドーの開業は、弘前市の中心商店街である土手町との間で商圏の二極化を引き起こしました。これに対抗するため、土手町の中三弘前店は売り場面積を拡大するリニューアルを実施しました。

リニューアルと閉店へ

2020年には大規模な改装が行われ、ロフトや無印良品、アカチャンホンポなどの新たなテナントが加わり、11月18日にリニューアルオープンしました。しかし、2023年3月、イトーヨーカ堂は経営合理化のため、国内店舗を削減し首都圏に集約する方針を発表。これに伴い、2024年2月9日には弘前店の営業を同年9月までに終了する方針が報道され、同時に青森店の閉店も発表されました。これにより、青森県からイトーヨーカドーが撤退することが決定しました。

2024年5月10日には、9月29日をもって閉店する旨が正式に発表され、店頭には閉店を知らせる告知が掲示されました。閉店後の店舗は、食品スーパー「ロピア」などを展開するOICグループが継承し、「CiiNA CiiNA（シーナシーナ）弘前」として新たに開業することになりました。

閉店、そして新たな始まり

2024年9月29日、イトーヨーカドー弘前店は予定通り閉店し、青森県からイトーヨーカドーは完全に姿を消しました。しかし、その跡地はOICグループによって引き継がれ、同年10月31日に「CiiNA CiiNA弘前」として新たなスタートを切りました。無印良品、JINS、くまざわ書店、キャンドゥなどのテナントは引き続き入居し、核テナントとなる食品スーパー「ロピア」は2025年2月の開業を予定しています。

CiiNA CiiNAはロピアに先駆け2024年10月31日に開業しました。

かつてのテナント

イトーヨーカドー弘前店には、かつて以下のようなテナントが入居していました。

地下1階：マクドナルド、JTB東北
2階：風月堂
5階：あすなろ書房、新星堂
8階：レストラン森永、ファミリーレストランファミール、芝のらーめん屋さん

かつては地下1階にゲームセンター、6階に屋上遊園地があり、1995年の増床以前は7階が催事場として利用されていました。

交通アクセス

鉄道：JR奥羽本線弘前駅から徒歩5分、弘南鉄道大鰐線中央弘前駅から徒歩20分
バス：弘南バス「バスターミナル前」バス停下車、または「バスターミナル」下車すぐ
* 自家用車：弘前市道土手町俵元線沿い（店舗東側）に第一駐車場、青森県道17号弘前停車場線沿いに第二駐車場（主屋から地下連絡通路を通る）あり（どちらも立体自走式）。

イトーヨーカドー弘前店は閉店しましたが、その歴史は「CiiNA CiiNA弘前」として新たな形で引き継がれ、地域の商業を支え続けています。

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