イトーヨーカドー長野店

イトーヨーカドー長野店

イトーヨーカドー長野店は、かつて長野県長野市権堂町に所在した総合スーパーマーケットです。1978年（昭和53年）に開業し、2020年（令和2年）に42年の歴史に幕を閉じました。店舗は長電権堂ビルの中核テナントとして、長野電鉄長野線の地下化と長野大通り建設に合わせて建設されました。

開業の背景

長野電鉄の旧本社や権堂駅舎、バス営業所の跡地を利用して建てられた長電権堂ビルに入居する形で開業しました。イトーヨーカ堂は長野電鉄に対し、建設資金として20億円を貸し付け、その返済は20年（当初10年は無利子）という条件で行われました。この背景には、長野電鉄の沿線活性化や、権堂アーケード街への集客増加の期待がありました。また、長野市中心市街地への居住を促進する政策において、地域住民の生活を支える重要な施設としての役割も担っていました。長野電鉄権堂駅と地下で直結していたことから、一定額以上の買い物をすると帰りの電車賃が無料になるサービスも実施されていました。

開業当初、地下1階の食品フロアには、イトーヨーカ堂と提携していたヨークマツヤが出店していましたが、1988年に提携が解消されたため、イトーヨーカ堂直営の食品売り場に変更されました。

再整備構想と閉店

2016年5月、イトーヨーカ堂は、善光寺御開帳（2021年）を目途に、店舗を現在の向かい側（当時の長野電鉄本社ビル一帯）に移転し、大型ショッピングセンター「アリオ長野」（仮称）として再整備する構想を発表しました。また、移転後の店舗跡地には、老朽化した長野市民会館を移転・新築する計画も検討されていました。しかし、長野市民会館は長野市役所第一庁舎と一体化して現地で建て替えられることになり、計画は頓挫しました。親会社のセブン&アイ・ホールディングスが不採算店舗の整理を進める中で、イトーヨーカドー長野店も2019年9月に閉店が検討されていることが明らかになり、再整備構想は白紙となりました。そして2020年6月7日、42年の歴史に幕を閉じました。

年表

1978年6月：長野電鉄地下化に先駆けて開業。
1981年3月1日：長野電鉄長野線地下線開業に伴い、権堂駅コンコースと地下1階が直結。
1998年：5階にミニシアター「シネマポイント」が開業。
2010年4月1日：買い物客に長野電鉄線の乗車券をプレゼントする「お帰りきっぷ」サービスを開始（閉店とともに終了）。
* 2020年6月7日：閉店。業務引継ぎはアリオ上田店が行った。

営業当時のフロア構成

各階には、食料品、衣料品、雑貨、家電製品など、多岐にわたる商品が販売されていました。5階にはミニシアター「シネマポイント」がありました。

シネマポイント

シネマポイントは、イトーヨーカドー長野店の5階にあったミニシアターです。1スクリーン80席の小規模な映画館で、同じフロアにある喫茶店「純喫茶ブラジル」が経営し、長野千石劇場が運営していました。イトーヨーカドー長野店の閉店とともに閉館しました。

閉店後の建物

閉店後、建物を所有する長野電鉄は、近隣住民へのアンケート調査結果を踏まえ、建物を地上2階・地下1階に減築し、車道スロープや屋上駐車場を整備しました。これは、近隣駐車場が離れていることがテナント誘致の障壁となっているためです。食品スーパーなどの誘致を目指し、2021年6月の再開業を目指していましたが、テナントの誘致が難航しました。

最終的に、綿半ホームエイドが建物を全館借り受け、2022年春に「綿半スーパーセンター権堂店」としてオープンしました。当初は24時間営業の予定でしたが、後に9月30日にオープンしました。建物名称も「長電権堂ビル」から「権堂ウエストプラザ」に変更されました。再オープンは、減築工事の許認可手続きや、新型コロナウイルス感染症の流行、ウクライナ侵攻による資材不足などの影響で、当初の予定より遅れました。店舖は、ホームセンター、食品スーパーに加え、医薬品コーナー、カフェスペース、家具・インテリア店などが入居しています。

備考

イトーヨーカドー長野店では、買い物額に応じて長野電鉄線の乗車券を無料発行する「お帰りきっぷ」サービスを実施していました。また、長野市内にはかつてダイエーの店舗もありましたが、2005年に撤退しています。

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