イメージファイトII

『イメージファイトII』 (IMAGEFIGHT II: OPERATION DEEPSTRIKER)

アイレムが開発し、1992年12月18日にPCエンジンSUPER CD-ROM²でリリースされた縦スクロールシューティングゲーム、『イメージファイトII』。1988年に登場したアーケード版『イメージファイト』の正式な続編として位置づけられており、前作から3年後の未来、2051年の地球を舞台に、人類存亡をかけた激しい戦いが描かれます。プレイヤーは軌道戦闘機を操縦するパイロットとなり、仮想現実で行われる過酷な訓練“イメージファイト”を突破し、立ちはだかる謎の生命体“エイリアンフォース”を撃破して地球を危機から救出することが目的です。

本作はアーケードからの移植ではなく、PCエンジン向けに一から開発されたオリジナルタイトルである点が大きな特徴です。当時のPCエンジンのSUPER CD-ROM²という大容量メディアを最大限に活用し、随所に音声付きのピクチャードラマパートが挿入されており、ストーリー性が大幅に強化されています。このドラマパートには、古谷徹氏をはじめとする豪華声優陣が多数起用され、物語に深みと臨場感を与えています。また、PCエンジン用の周辺機器であるバーチャルクッションにも対応しています。本作のキャッチコピーは「求む、脳の丈夫な若者！」。この言葉が示す通り、前作から引き継がれた手ごわい難易度も健在です。

ゲームシステム面では、プレイヤーは序盤、旧世代型の軌道戦闘機OF-1「ダイダロス」に搭乗しますが、物語の進行と共に新型機OF-3「ガルーダ」へと乗り換えることになります。この機体変更は、仮想訓練ステージを経て行われるというシチュエーションが用意されています。OF-1で挑む序盤ステージは、敵の配置が厳しく、プレイヤーの技量が問われる作りとなっています。前作にも存在した仮想空間での訓練ステージは、本作でも重要な要素として登場します。特に、新型機に乗り換えた後に挑戦する4つの訓練ステージ（ゲーム全体で5面を通過した後に発生）では、プレイヤーの撃破率が厳しく評価されます。これらの訓練ステージの合計平均撃破率が90パーセントを下回ってしまうと、次のステージが特別に難易度の高い「ペナルティエリア」へと分岐するというシステムが採用されています。このペナルティエリアでは、装備アイテムが一切出現せず、完全に初期装備の状態で攻略を強いられるため、更なる集中力とテクニックが要求されます。CD-ROM²ソフトとしては珍しく、途中セーブ機能が搭載されているため、難関ステージの突破に役立てることができます。

自機の武装となる特殊攻撃パーツは、従来の9種類に加え、新たな機能を持つ複数の強力な武器が追加されました。例えば、ショットボタン長押しで広範囲の炎を放つ「プラズマフレイム」、敵を追尾する「サーチサイドレーザー」、バリアを形成・射出できる「マルチバリア」、低連射ながら絶大な威力を誇る「グラビティボム」、自機スピードで威力が変わる「スピードキャノン」、左右に誘導可能な「ワイプレーザー」、地上を這って進む「グランドミサイル」など、戦況に応じて使い分けることで攻略の幅が広がります。さらに、特定の条件を満たすことで、アイレムの代表的なシューティングゲーム『R-TYPE』の自機R-9や、『大工の源さん』の主人公である源さんといった隠し機体を使用することも可能です。ただし、R-9を使用した場合でも、トレードマークである波動砲は使用できない点は注意が必要です。

本作の物語を彩る登場人物たちは、豪華声優陣によって命が吹き込まれています。主人公の若きパイロット、沢村翔を演じるのは古谷徹氏。ヒロインであるエンパシストのファロン・レイ役は小山裕香氏が担当しています。その他にも、グレゴリー・クラウス役に屋良有作氏、空中空母ファルシオン艦長のニール・L・ファーガソン役に青野武氏など、ベテラン声優が多数出演しており、ドラマパートのクオリティを高めています。

開発はアイレム社内で行われました。プロデューサーはおかだこうぞう氏と吉岡基行氏が、サウンドは冷牟田卓志氏と木村浩氏が手掛けています。

発売から時を経て、本作は再び注目を集めます。2007年にはWiiのバーチャルコンソールとして、2015年にはWii Uのバーチャルコンソールとしても配信され、新たな世代のプレイヤーも本作を楽しむ機会を得ました。

ゲーム雑誌の評価では、『ファミコン通信』のクロスレビューで28/40点、『月刊PCエンジン』で平均80/100点、『電撃PCエンジン』で平均73.75/100点、『マル勝PCエンジン』で26/40点といった点数がつけられました。読者投票による『PC Engine FAN』のゲーム通信簿では22.50/30点と評価され、1993年時点でのPCエンジン全ソフト中124位にランクインしています。これらの評価の中では、特に前作から引き継がれた高いゲーム難易度が指摘されることが多かったようです。

『イメージファイトII』の軌道戦闘機OF-1とOF-3は、アイレムの看板シューティングシリーズである『R-TYPE』の関連作品、『R-TYPE FINAL』（2003年）や『R-TYPE FINAL2』（2021年）にもゲスト参戦しており、他作品との繋がりも示しています。PCエンジンオリジナルとして独自の進化を遂げた『イメージファイトII』は、手ごわいシューティングゲームとしての魅力に加え、大容量メディアを活用したドラマチックな演出で、多くのプレイヤーに記憶される一作となりました。

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