イロゴトシ

イロゴトシ:九州の星が駆け抜けた奇跡の軌跡



2017年3月7日生まれの競走馬、イロゴトシ。その名は「色事師」を意味する。平地競走では苦戦が続いたものの、障害競走への転向を機に、類まれな才能を開花させ、日本競馬史にその名を刻むこととなる。

平地競走時代:試練と成長



2歳(2019年)のデビュー戦は4着。その後、2歳未勝利戦とひまわり賞で連勝しオープン入りを果たすも、その後は思うように結果が出せず、重賞初挑戦となったサウジアラビアロイヤルカップでは9着に終わるなど、苦戦が続いた。3歳から5歳にかけては1勝も挙げることが出来なかった。4歳時には約1年9か月ぶりの勝利を挙げたものの、再び低迷期に突入。平地競走では、持ち前の能力を十分に発揮することが出来なかった。

障害競走への転身:才能の開花



6歳(2023年)シーズン、イロゴトシの陣営は大きな決断を下す。それは、障害競走への路線変更だった。障害競走初挑戦では3着と好走し、続くレースで障害競走初勝利を飾る。3月のペガサスジャンプステークスでは3着と健闘し、4月の中山グランドジャンプでは、3コーナーで一気に先頭に躍り出ると、そのまま後続を突き放し、3.1秒差という圧勝劇を演じた。この勝利は、馬主、騎手、調教師、そして九州産馬、ヴァンセンヌ産駒にとっても初のGI級競走制覇という歴史的快挙だった。

中山グランドジャンプ連覇とその後



続く東京ハイジャンプでは6着に敗れたものの、翌2024年中山グランドジャンプでは、再びその強さを見せつける。中団から徐々にポジションを上げ、2周目の3コーナー手前で先頭に立つと、迫るジューンベロシティを3馬身振り切り、見事連覇を達成した。しかし、その後の検査で左前浅屈腱炎を発症していることが判明。全治9か月以上と診断され、現役続行は厳しい状況にある。調教師は、重症ではないことから現役続行を目指し、来年の中山大障害を目標にすると発表している。

イロゴトシの軌跡:平地競走からの飛躍



イロゴトシの物語は、平地競走での苦戦、障害競走への転向、そしてGI級競走連覇という、まさにドラマチックな展開で彩られている。その活躍は、多くの関係者、そして日本の競馬ファンに感動と希望を与えた。その類まれな能力と、関係者たちの努力、そして何よりイロゴトシ自身の強い意志が、この奇跡の物語を紡ぎ出したと言えるだろう。九州産馬初のGI級競走制覇という偉業は、日本の競馬界に新たな歴史を刻み、今後の活躍にも期待が高まっている。 イロゴトシの挑戦は、まだ終わっていない。

脚注



※競走成績はnetkeiba.comの情報に基づきます。

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