イワン・グレン級揚陸艦

イワン・グレン級揚陸艦の概要

イワン・グレン級揚陸艦は、ロシア海軍が採用している大型揚陸艦の艦級です。この艦級は主に海上から陸上への兵力輸送を目的としており、特に重装備の部隊の迅速な展開が可能です。現在「イワン・グレン」と「ピョートル・モルグノフ」の2隻が存在し、将来的には数隻の改良型が追加される予定です。

設計と能力

この艦級の基準排水量は5,000トンから6,000トンであり、最大で13輌の主力戦車または36両の装甲兵員輸送車を搭載可能です。さらに、約300人の海兵隊員をも輸送できます。これにより、作戦の展開において十分な火力と人員を迅速に送ることができるのです。

起工から就役まで

最初の艦である「イワン・グレン」は、2004年12月23日に起工され、2010年11月までには船体が完成しました。しかし、建造過程で様々な設計上の問題が浮上し、完成が手間取る結果となりました。最終的には、2012年に進水し、2018年6月にはロシア海軍に正式に引き渡されています。この艦も一部の試運転ではエンジンや安定性の問題に直面しました。

次に建造された「ピョートル・モルグノフ」は2014年に就役し、多くの運用実績を持っています。この艦の指揮を執ったのはVyacheslav Solovyov二等艦長で、2021年に常設基地に到着しました。

改良型の計画

2018年12月、ロシアの統一造船会社は、さらなる艦の建造を計画していることを発表しました。これにより、将来的には改良型の艦が2隻または3隻追加される見通しです。具体的には、2019年4月にロシア国防相がさらに2隻の建造を宣言し、式典がカリーニングラードのヤンター造船所で開催されました。

これらの新艦は上部構造の変更が加えられており、排水量が従来のバージョンよりも40%増加しています。特に新しい16D49エンジンを搭載し、艦載攻撃ヘリコプターであるカモフKa-52Kを運用することも可能です。新型艦は、最大で9,240トンの排水量と26輌の戦車を運ぶ能力を持つとされています。

建造の一環

イワン・グレン級のすべての艦は、ヤンター造船所で建造されており、ロシア海軍にとって重要な戦力を形成しています。これらの艦は、海洋作戦における防衛戦略の一環として、それぞれ異なる役割を持ちながら一体的に機能することが求められています。

まとめ

イワン・グレン級揚陸艦は、ロシア海軍の揚陸能力を向上させるための重要な艦級であり、既存の艦艇の更新に寄与しています。将来の追加建造も計画されているため、その運用に関する情報は今後も注目されることでしょう。これらの艦がどのように運用され、訓練や実戦に投入されるかが、ロシア海軍の今後にとって重要なポイントとなります。

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