インカタ自由党

インカタ自由党（Inkatha Freedom Party, IFP）は、南アフリカ共和国の政治において重要な役割を担う政党です。特にズールー人の権利を主張する主要な政党として知られ、クワズール・ナタール州議会では第二党の地位を占めています。

歴史

IFPは、ズールー人の有力な部族であるブテレジ族の族長であり、当時のズールー王グッドウィル・ズウェリティニの叔父にあたるマンゴスツ・ブテレジによって1975年に設立されました。当初、IFPはアフリカ民族会議（ANC）と共闘関係にありましたが、1980年代初頭から両者の関係は悪化し、対立するようになりました。この時期、IFPはバンツースタンのクワズールー自治領の与党となり、南アフリカ防衛軍と協力してANCを攻撃する立場をとりました。この行動は、当時のピーター・ウィレム・ボータ首相とマグナス・マラン国防相が主導したとされる白人による分割統治政策に加担したと批判されています。

アパルトヘイト体制が終結した後、南アフリカ初の総選挙が実施されました。この選挙でIFPは得票率10.54%を獲得し、400議席中43議席を得て第三党となりました。その後、IFPはANCとの連立政権に参加しましたが、その後の選挙では徐々に勢力を失い、2019年の総選挙では得票率3.38%、14議席にとどまる結果となりました。

しかし、2024年の総選挙では、IFPは3議席を増やして17議席を獲得し、議席を大幅に減らしたANCとの連立政権に、[民主同盟]など他の政党と共に参加することになりました。この結果は、IFPが南アフリカの政治において依然として重要な役割を担っていることを示しています。

IFPの歴史は、南アフリカの政治的変遷と密接に結びついており、その活動はズールー人の権利と南アフリカの民主化に深く関わっています。設立当初のANCとの協力関係から、アパルトヘイト時代における対立、そして民主化後の連立政権への参加まで、その歩みは南アフリカの歴史を映し出す鏡と言えるでしょう。

脚注

公式ウェブサイト
インカタ自由党 (InkathaFreedomParty) - Facebook
インカタ自由党 (@IFP_National) - X（旧Twitter）
インカタ自由党 (@inkathafreedomparty) - Instagram

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