イングランディーレ

イングランディーレの競走馬としての軌跡

イングランディーレ（Ingrandire）は、1999年5月21日に生まれ、2020年12月12日に亡くなった日本の競走馬です。彼は特に2004年に天皇賞（春）を制覇し、その実績から多くの競馬ファンの記憶に残る存在となりました。また、アスコット競馬場のアスコットゴールドカップにも出走したことがあります。

戦歴の概要

イングランディーレは、まず2001年の2歳の夏にデビューしました。当初は主にダート競走で活動し、3歳の終わりには格上のステイヤーズステークスに挑戦し、4着という成績を収めました。このレースは後の成長に繋がる経験となりました。続くダイヤモンドステークスでは、8番人気という評価ながらも、馬場の状態を活かして逃げ切り勝ちを飾り、初の重賞制覇を達成しました。それに続いて日経賞でも勝利を挙げ、連勝を決めました。

次に挑んだ天皇賞（春）では、5番人気に支持されましたが、惜しくも9着に終わりました。その後は再びダート路線に戻り、ブリーダーズゴールドカップや白山大賞典で連勝。その一方で、JBCクラシックでは6着に終わり、これ以後も勝ちきれない時期が続きました。

2004年の躍進

2004年、イングランディーレはさらなる飛躍を遂げます。船橋競馬場で行われたダイオライト記念で2着となった後、天皇賞（春）へ出走。ここでは10番人気ながらも、鞍上の横山典弘騎手の巧みな戦略により先頭に立ち、大きなリードを保ちながら逃げ切りました。直線では脚色が鈍ったものの、最終的には2着に7馬身差を付けての勝利でした。このレースは、実況アナウンサーから「イングランディーレの一人旅」と表現されるほどの圧巻の内容でした。

引退までの経歴

天皇賞（春）制覇後、イングランディーレはイギリスのアスコット競馬場に遠征してアスコットゴールドカップに出走しましたが、ここでは9着に終わりました。日本に帰国した後は、ブリーダーズゴールドカップで2着に入ったものの、左前浅屈腱炎を発症し長期休養が余儀なくされました。2005年11月に復帰するも、長期のブランクが影響し、復帰戦では最後尾に終わります。その後も成績が伸び悩み、最終的に2006年には登録を抹消されました。

引退後の生活

引退後は韓国の金岳（クムアク）牧場にて種牡馬としての生活を始めました。彼の産駒には2012年のコリアンダービーを制したチグミスンガンがいます。チグミスンガンは後に韓国でも種牡馬となり、イングランディーレの初の後継種牡馬として名を刻みました。2020年12月12日、イングランディーレは老衰により21歳でその生涯を閉じました。

競走成績と影響

イングランディーレの競走成績は、彼の並外れた才能と精神力を示すものであり、特にG1競走での実績は多大な評価を受けています。彼は人気二桁番台でのG1制覇という特異な記録を持ち、競馬界に多くのインスピレーションを与えました。そのレースは今でも語り継がれ、後世の競走馬たちに影響を与える存在です。

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