インゲ1世 (スウェーデン王)

インゲ1世（Inge den äldre）

インゲ1世（生年不詳 - 1105年/1112年）は、11世紀後半から12世紀初頭にかけてスウェーデンを統治した王です。在位期間は1079年から1084年、そして1087年から1105年までです。ステンキル王の息子であり、母はエームンド老王の娘エンカリムです。また、兄にはハルステン王がいました。

生涯

インゲ1世は熱心なキリスト教徒であり、異教の神事であるガムラ・ウプサラの大犠牲祭の司祭役を拒否しました。このため、1084年にウプサラから追放され、代わりに妻の兄弟であるブロット＝スヴェンが王位に就きました。しかし、1087年にブロット＝スヴェンを殺害し、王位を奪還しました。

1100年頃、インゲ1世はノルウェー王マグヌス2世との間で領土争いを繰り広げていましたが、1101年にデンマーク王エーリク1世の仲介により、コヌンガヘラ（現在のクンガヘラ）で和解しました。

息子ラグンヴァルドはインゲ1世に先立って亡くなったため、インゲ1世の死後、王位は兄ハルステンの息子であるフィリップが継承しました。

子女

ブロット＝スヴェンの姉妹ヘレナ（メール）と結婚し、以下の子をもうけました。

クリスティーナ（? - 1120年）：1095年にキエフ大公ムスチスラフ1世と結婚。
ラグンヴァルド：娘イングリッドは、初めデンマーク王族ヘンリク（デンマーク王スヴェン2世の孫）と結婚し、スウェーデン王マグヌス2世（在位：1160年 - 1161年）を産みました。その後、ノルウェー王ハーラル4世の妃となりました。
マルガレータ（? - 1130年）：1101年にノルウェー王マグヌス3世と結婚、その後1105年にデンマーク王ニルスと結婚。デンマーク王ニルスとの子マグヌス1世は、一時スウェーデン王（在位：1126年 - 1130年）となりました。
カタリーナ：デンマーク王子ビョルン（デンマーク王エーリク1世の孫）と結婚。スウェーデン王エリク9世妃クリスティーナの母。

参考文献

百瀬宏 他 編 『新版 世界各国史21 北欧史』 山川出版社、1998年
下津清太郎 編 『世界帝王系図集 増補版』 近藤出版社、1982年
Jiří Louda, Michael Maclagan, Lines of Succession, Little, Brown & Company, 1981.

関連項目

スウェーデン君主一覧

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