インサイド・アウト・ミュージック

インサイド・アウト・ミュージック：プログレッシブ・ロック/メタルシーンを牽引するレーベル

インサイド・アウト・ミュージックは、ドイツのインディーズ系レコードレーベルとして、プログレッシブ・ロック、プログレッシブ・メタル、そして関連ジャンルを専門に扱うことで知られています。その歴史は1996年、トーマス・ウェイバーによってノルトライン＝ヴェストファーレン州クレーヴェで設立されたことに始まります。

当初は、シンフォニー・エックスやシャドウ・ギャラリーといったアメリカン・プログレッシブ・メタルバンドのアルバム再発を中心にヨーロッパ市場を開拓。その後、スティーヴ・ハケットなど、プログレッシブ・ロック界の巨匠たちとの契約を結び、レーベルとしての地位を確立していきました。世界規模での販売網構築のため、ドイツのSPVとの契約や、アメリカ拠点の「インサイドアウトUS」との提携も積極的に行っています。

2009年には、SPVの経営破綻を受け、センチュリー・メディア・レコードと新たなパートナーシップを締結。EMIとの世界規模の販売契約を結び、事業拠点をドルトムントに移転しました。そして2015年、センチュリー・メディア・レコードがソニーミュージックに買収されたことで、インサイド・アウト・ミュージックは、名実ともにプログレッシブ・ミュージック界を代表する主要レーベルへと成長を遂げました。

インサイド・アウト・ミュージックは、ヘイケン、ペイン・オヴ・サルヴェイション、スポックス・ビアード、ザ・セーフティ・ファイヤー、ザ・フラワー・キングス、エンチャントなど、プログレッシブ・ロックシーンを代表する数々のアーティストを擁しています。また、ジェイムズ・ラブリエ（ドリーム・シアター）のソロ作品や、マイク・ポートノイのサイドプロジェクトなど、プログレッシブ・ロック関連アーティストの作品も積極的にリリースすることで、シーン全体の活性化に貢献しています。

さらに、クラウトロック時代のアーティストの作品を再リリースするサブレーベル「リヴィジッテッド・レコード」も展開。アモン・デュールII、クラウス・シュルツェ、クラーンといった、電子音楽史に名を残すアーティストの作品を現代に蘇らせています。

レーベルの活動拠点であるクレーヴェ周辺地域は、アルバムのアートワークにも影響を与えています。例えば、スポックス・ビアードの『Octane』のカバーに描かれたガソリンスタンドや、スレッショルドの『Suburface』の湖は、いずれもクレーヴェに実在する場所です。

また、インサイド・アウト・ミュージックの特徴として、豪華なパッケージングも挙げられます。多くのアルバムが、ボーナストラック、特別なアートワーク、映像などの豊富なボーナスコンテンツを含む特別版でリリースされています。これらの取り組みは、音楽ファンにとって、単なる音楽作品以上の価値を提供することに繋がっています。

創設者であるトーマス・ウェイバーは、「2013 Progressive Music Awards」で「Guiding Light」賞を受賞。2017年には、ドリーム・シアターとの契約というレーベル史上最大の契約を締結するなど、その功績は広く認められています。

インサイド・アウト・ミュージックは、単なるレコードレーベルという枠を超え、プログレッシブ・ロック/メタルシーンを積極的に牽引し、発展に貢献し続ける存在です。その活動は、これからも多くの音楽ファンを魅了し続けることでしょう。

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