インザウイングス

インザウイングス：欧米中長距離を制した名馬とその血統

インザウイングス (In the Wings, 1986年 - 2004年) は、フランスで生まれた競走馬にして、後に成功をおさめた種牡馬です。その競走生活は、欧米の中長距離路線において輝かしいものとなりました。

デビューから3連勝を飾り、プランスドランジュ賞 (G3) で重賞初制覇を達成したインザウイングス。無敗の勢いを保ち、凱旋門賞に1番人気で挑みますが、結果は11着と大敗を喫しました。勝ち馬キャロルハウスには5馬身半もの差をつけられてしまうという、悔しい結果となりました。

しかし、インザウイングスは諦めませんでした。翌年には、ガネー賞で2着に入るなど着実に力をつけ、コロネーションカップ (G1) でG1初勝利を飾ります。さらに、サンクルー大賞 (G1) では、凱旋門賞で敗れたキャロルハウスに雪辱を果たし、G1競走連勝という快挙を達成しました。

勢いに乗るインザウイングスでしたが、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでは5着と敗れ、その後もフォワ賞を制したものの、2年連続挑戦した凱旋門賞では4着と、英仏の頂点には届きませんでした。

それでも、インザウイングスはその後アメリカに遠征し、[ブリーダーズカップ・ターフ] を制覇。見事な有終の美を飾り、競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

引退後は種牡馬として活躍の場を移し、数々のG1競走、重賞競走の勝ち馬を輩出するなど、大きな成功を収めました。その産駒は、父譲りの中長距離適性を持つ馬が多く、その血統の優秀さを示しています。

主な産駒（G1級競走優勝馬のみ）

Singspiel (1992年生): カナディアンインターナショナルステークス、ジャパンカップ、ドバイワールドカップ、コロネーションカップ、インターナショナルステークスなど、数々のG1競走を制覇した名馬。
Winged Love (1992年生): アイリッシュダービー優勝馬。
Central Park (1995年生): デルビーイタリアーノ、イタリア共和国大統領賞優勝馬。
Kutub (1997年生): バイエルンツフトレネン、オイロパ賞、ジョッキークラブ大賞優勝馬。
Zanzibar (1998年生): オークスイタリアーノ優勝馬。
Act One (1999年生): リュパン賞、クリテリウム・アンテルナシオナル優勝馬。
Mamool (1999年生): オイロパ賞、バーデン大賞優勝馬。
Fidelite (2000年生): サンタラリ賞優勝馬。
* Adlerflug (2004年生): ドイチェスダービー、ドイツ賞優勝馬。

また、ブルードメアサイアー（母の父）としても、Luas Line (ガーデンシティブリーダーズカップステークス優勝)、ショウナンパントル(阪神ジュベナイルフィリーズ優勝)、Ave (フラワーボウルインビテーショナルステークス優勝)など、多くの活躍馬を輩出しています。

インザウイングスの母ハイホークは、ローマ賞 (伊G1) の勝ち馬であり、第3回ジャパンカップにも1番人気で出走した実績を持っています(13着)。さらに、全弟のハンティングホークはグレフュール賞 (仏G2) 優勝馬で、種牡馬として日本に輸入され、ホットシークレット (ステイヤーズステークスなど優勝) の父となりました。

このように、インザウイングスは競走馬としてだけでなく、種牡馬としても、そしてブルードメアサイアーとしても、競馬界に多大な貢献を残した偉大な存在と言えるでしょう。その血統は、現在も世界中の競馬界で受け継がれ、その輝かしい功績はこれからも語り継がれていくことでしょう。

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