ホットシークレット

ホットシークレット：長距離の雄、その生涯と功績

ホットシークレットは、日本中央競馬会（JRA）が購買し、その後再頒布された抽選馬として知られる競走馬でした。長距離レースを得意とし、中央競馬において輝かしい功績を残しました。その総獲得賞金3億9338万8000円は、抽選馬としては歴代1位という記録的なものでした。

1998年7月のデビュー戦では最下位に終わるなど、若駒の頃は気性の荒さにも悩まされました。しかし、去勢手術とブリンカーの着用により、3戦目で初勝利を挙げると、その後は順調に成績を伸ばしていきます。4歳時にはオープン戦・若草ステークスを制覇。古馬となった2000年には、GIIステイヤーズステークスで重賞初制覇を飾ります。ナリタトップロード、タガジョーノーブル、サンエムエックスといった強豪を相手に、鮮やかな勝利を収めました。

続く有馬記念ではGIレース初挑戦を果たし、以降も長距離レースで安定した成績を残します。2001年の目黒記念では、レコードタイムで優勝。さらに、宝塚記念ではテイエムオペラオー、メイショウドトウ、ステイゴールド、エアシャカールといった当時のトップクラスの馬たちと競り合い、3着という好成績を残しました。

2002年には海外遠征としてUAEのドバイシーマクラシックにも挑戦（7着）。同年、ステイヤーズステークスに2度目の優勝を果たし、これはホットシークレット自身最後の勝利、そして鞍上を務めた岡部幸雄騎手にとっても最後の重賞勝利となりました。

ホットシークレットは2004年の宝塚記念を最後に引退。種牡馬になることはできませんでしたが、長距離レースにおけるその活躍は多くのファンを魅了しました。引退後は北海道苫小牧市のノーザンホースパークで乗馬として余生を過ごしました。しかし、2005年12月、繋靱帯炎が悪化し、安楽死の措置が取られました。

ホットシークレットの血統は、父に名種牡馬インザウィングスの全弟であるハンティングホーク、母系は日本古来のオーグメント系（アストニシメント系）と、良血を受け継いでいました。5代母には京成杯オータムハンデキャップ勝ち馬のヤマトノハナ、7代母には中山記念勝ち馬のヤマトナデシコといった活躍馬もいます。セイクリムズンやオープンガーデンなども近親にいます。

ホットシークレットは、気性や怪我に悩まされながらも、持ち前のスタミナと闘志で数々のレースを戦い抜きました。その活躍は、日本の競馬史にその名を刻むに値するものでしょう。抽選馬として最高の賞金額を獲得し、長距離レースのファンに忘れられない記憶を残したホットシークレットの生涯は、競走馬としての成功と、その後の困難、そして多くの人々への感動を与え続けました。その記録は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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