インジルリク空軍基地

インジルリク空軍基地

インジルリク空軍基地（英語: Incirlik Air Base、トルコ語: İncirlik Hava Üssü）は、トルコ南部のアダナ県に位置する、アメリカおよびトルコの空軍によって主に使用される基地です。この基地は、3320エーカー以上の広さを持ち、アダナ市から東方向に約10キロメートルの距離にあり、地中海からは約32キロメートル内陸に位置しています。また、イギリスやサウジアラビアの空軍もこの基地を利用しています。

歴史

インジルリク空軍基地の建設は、1943年に行われた第二次カイロ会談で決定され、その後の1951年春にアメリカ陸軍工兵隊によって工事が開始されました。当初、アメリカ空軍は基地を中・重爆撃機の緊急装備や復旧のための施設として利用する計画がありました。

1954年12月、トルコ軍参謀本部とアメリカ空軍の間で新しい空軍基地に関する共同利用契約が締結され、1955年2月21日に「アダナ空軍基地」として正式に命名されました。その後、1958年2月28日に「インジルリク空軍基地」という名称に改称されました。

この基地は、冷戦時代にも重要な役割を果たし、様々な国際的な軍事活動において戦略的な拠点として機能してきました。特に、ペルシャ湾戦争やイラク戦争などの際に、その機能が強調されています。

さらに、2023年のトルコ・シリア地震では、インジルリク空軍基地が国際支援物資の拠点として利用されました。特に航空自衛隊の国際緊急援助活動において、この基地は物資の搬入拠点として重要な役割を果たし、空自のKC-767が運航して資材の輸送が行われました。

語源

「インジルリク」という名称は、トルコ語の「イチジクの木立」を意味します。地域に多く見られるイチジクの木々にちなんで名付けられたと言われています。この名称は、トルコの独特な自然環境を反映しており、地域の文化的な側面をも提起しています。

まとめ

インジルリク空軍基地は、トルコの地理的利点を生かした重要な航空基地であり、アメリカやトルコだけでなく、他国の軍事活動にとっても戦略的な拠点となっています。その歴史や役割は、冷戦から現代にかけて変化し続け、地域の安全保障に寄与しています。今後も、その機能や重要性は変わらず続くと考えられています。

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