トルコ・シリア地震

トルコ・シリア地震（2023年2月6日）

2023年2月6日04時17分（日本時間10時17分）、トルコ南東部のガズィアンテプ県近郊で、マグニチュード7.7から7.8の大地震が発生しました。この地震は「トルコ・シリア大地震」とも呼ばれ、隣国シリアにも甚大な影響をもたらしました。

地震の概要

初めの主要な震源は、ガズィアンテプ県とカフラマンマラシュ県の境界付近にあり、震源の深さは17.9kmとされています。同日同じく、13時24分（日本時間19時24分）にはマグニチュード7.5から7.6の二次地震が、カフラマンマラシュ県エルビスタン地区で確認されました。これらの地震は、21世紀における死者数が特に多い自然災害の一つとなり、約56,000人以上の死者が出たと報告されています。

余震

本震以降、約1カ月間で1万1020回の余震が観測され、トルコ国内で21万4577棟、シリアで1万棟以上の建物が倒壊しました。この地震により、約2000万人以上の人々が被災し、トルコでは1300万人、シリアでは約880万人が影響を受け、数百万人が避難生活を送っています。トルコ国内の被害額も推定で1,000億ドルを超えています。

地震のメカニズム

震源地付近ではアナトリアプレート、アラビアプレート、アフリカプレートの三つのプレートが交差しています。地震は東アナトリア断層やチャルダク断層に沿って引き起こされたもので、過去に定期的に大地震が起きている地域です。今回の地震は「双子地震」として特徴づけられ、2つの異なる断層が同時に活発化した結果とされています。

津波の影響

地震後、イタリアの南部沿岸に津波警報が発令されましたが、後に解除され、影響は限定的でした。ただし、キプロスのファマグスタでは小規模な津波が観測されており、トルコでも海面変動が確認されました。

被害の状況

2023年3月20日現在、地震による死者は合計で約56,000人以上とされ、これは2005年のパキスタン地震（死者73,000人）に次いで、21世紀以降の自然災害として二番目に多い数字です。また、WHOによると、最大で2300万人が被災したとみられています。トルコでの建物倒壊だけでなく、特にシリア側では戦争の影響で物資不足が深刻化しています。

建物への影響

建物の倒壊は、特にトルコ南部では顕著で、一部の地域では「パンケーキクラッシュ」という危険な倒壊が観測されました。専門家は、建物の設計や建設の質に問題があったと指摘しています。特に冬季の寒さが影響し、避難生活を強いられた被災者たちは健康状態が悪化する恐れがあります。シリア側ではインフラの崩壊が特に痛手となり、疾病の発生も懸念されています。

トルコと国際社会の反応

トルコ政府は、地震の被害への対策として非常事態の宣言を行い、国際的な支援を求めました。多国籍の救助隊が派遣され、支援物資が提供される中、トルコ国内でも市民の怒りが高まり、政府への批判が強まっています。

また、シリア側の被害も深刻で、反体制派支配地域への救援が滞る中、国連も一時的に支援を見合わせています。

以上のように、トルコ・シリア地震は地域の人々に多大な影響を与えており、建築基準や災害対策の改善が求められています。

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