インターネットアマチュア無線

インターネットアマチュア無線とは

インターネットアマチュア無線は、アマチュア無線における音声やデータを、IPネットワークを介して伝送する運用形態を指します。従来の地上波や電離層反射波に頼る通信とは異なり、インターネットを利用することで、より手軽に、そして安定した遠距離通信を実現できるようになりました。

背景

従来のアマチュア無線は、天候条件に左右されやすい地上波、電離層反射波、ラジオダクトなどを主な伝送手段としていました。特に遠距離との交信は不安定になりがちでしたが、インターネットの利用により、そうした課題が克服されつつあります。

通信方式の例

以下に、代表的なインターネットアマチュア無線の通信方式をいくつか紹介します。

D-STAR

D-STARは、日本アマチュア無線連盟（JARL）が開発したデジタル通信方式です。D-STAR対応のデジタルレピータや無線機を通じてインターネットに接続できます。JARLが日本全国にレピータを設置しており、比較的安定した利用が可能です。D-STARレピータは、インターネットを介して他のレピータと接続することで、広範囲な通信を可能にします。

WIRES

WIRESは、八重洲無線が提唱する方式で、インターネット接続コントローラとパソコンを介してインターネットとアマチュア無線を接続します。WIRES対応レピータは、アマチュア無線家の有志によって全国各地に設置されています。D-STARに比べるとレピータの安定度はやや劣りますが、設置数が多いというメリットがあります。また、FMとトーンスケルチ、DTMFを使用するため、多くの既存の無線機で利用できる汎用性の高さも特徴です。

Echolink

Echolinkは、ソフトウェアとしてはSkypeなどのVoIPアプリケーションに近いシステムです。アマチュア無線機と接続して、アマチュア無線VoIP網を構築することを目的としています。インターネットに接続されたPCと無線機があれば、世界中のEcholinkノードにアクセスし、他のアマチュア無線家と交信できます。Echolinkは、手軽に導入できるソフトウェアであるため、世界中で広く利用されています。

これらの方式以外にも、様々なインターネットを利用したアマチュア無線の運用方法が存在し、アマチュア無線家の間で活用されています。

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