インターンシップ (映画)

『インターンシップ』（原題：The Internship）は、2013年にアメリカで制作されたコメディ映画です。ショーン・レヴィが監督を務め、ヴィンス・ヴォーンが製作、脚本、主演を兼ねています。オーウェン・ウィルソンが共演し、『ウェディング・クラッシャーズ』以来のコンビ復活となりました。日本では劇場公開されず、ビデオスルーとなりました。

物語は、主人公のビリーとニックが、時代に取り残された中年セールスマンであるという状況から始まります。時計販売会社で熟練の腕を誇っていた二人でしたが、スマートフォンの普及により会社は倒産。職を失い、途方に暮れる日々を送っていました。そんな中、ビリーは大手IT企業Googleのインターンシップに挑戦するという大胆な提案をニックに持ちかけます。最初は反対していたニックも、ビリーの熱意に押され、共にインターンシップに参加することを決意します。

大学のオンライン講座を受講して学生の身分を得た二人は、図書館のパソコンでオンライン面接に挑みます。マシンガントークとこれまでの経験をアピールし、見事インターンシップへの参加を勝ち取ります。しかし、Googleのインターンシップは単なる研修ではなく、実質的な社員選考会でした。研修責任者のチェティーは、Googleで働くためには頭脳だけでなく「グーグリネス」が必要だと説きます。インターン生たちはチームに分かれて競い合い、最終的に選ばれたチームのメンバーが正社員になることができるのです。

一流大学出身のエリートばかりが集まる中で、時代遅れの中年コンビであるビリーとニックは、当然のようにチームメンバーから敬遠されます。そこで、社員のライルが、はみ出し者たちを集めて「チーム・ライル」を結成。ビリーとニックに加え、アジア系のヨーヨー、スマホ依存症のスチュアート、紅一点のネーハがメンバーとなります。当初、ビリーとニックはスキル不足でチームの足を引っ張るばかりでしたが、持ち前のポジティブ思考と巧みな話術を駆使して、次第にチームをまとめ上げていきます。

物語は中盤、チームが協力し合い、様々な課題に挑戦する過程を描きます。Gメールのサポート業務では、ビリーが徹夜で暗記したものの、ログインを忘れてログ提出ができず、チームは最下位になります。チームに迷惑をかけたことから、ビリーはインターンを辞める決意をします。しかし、最終課題は彼らの得意とする「営業」でした。チームは近所のピザ屋に営業をかけていましたが、昔ながらの営業方法から脱却できずにいました。そこでビリーとニックは、ピザ屋のスタッフが独立を希望していることを知り、店の規模を拡大する提案をします。チームメンバーも協力し、インターネットで情報を集めて店主を説得することに成功。最終的に、ピザ屋のフランチャイズ化を成功させました。

インターンシップの最終集計で、ライバルチームが1位として表彰されようとしたその時、チーム・ライルが音楽とともに登場。ルールに従い再集計を行った結果、チーム・ライルが1位を獲得し、ビリー、ニックを含むチームメンバー全員がGoogleの正社員となることが決定します。

この映画には、豪華なキャストが出演しています。主人公のビリー・マクマホンはヴィンス・ヴォーンが、相棒のニック・キャンベルはオーウェン・ウィルソンが演じました。チーム・ライルのメンバーには、ライル・スポルディング役のジョシュ・ブレナー、ヨーヨー・サントス役のトビット・ラファエル、スチュアート・トゥオンブリー役のディラン・オブライエン、ネーハ・パテル役のティヤ・シルカーがいます。その他、ローズ・バーン、ジェシカ・ゾア、アーシフ・マンドヴィ、ジョシュ・ギャッドなど実力派俳優たちが脇を固めています。また、Googleの共同経営者であるセルゲイ・ブリンがカメオ出演しているのも見どころです。

本作は興行的には成功を収め、制作費を上回る9,300万ドル以上の興行収入を記録しました。しかし批評家の評価は分かれており、批評サイトのMetacriticでは平均値が42/100、Rotten Tomatoesでは支持率が35％と低い評価を受けています。一方で、ロジャー・イーバートのサイトではシーラ・オマレーが4つ星満点中3つ星と高評価をつけ、ヴィンス・ヴォーンとオーウェン・ウィルソンのコメディを「面白い化学反応」と評しています。

参考文献として、allcinema、KINENOTE、オールムービー、IMDb、Rotten Tomatoesの公式サイトが挙げられます。

この映画は、デジタル社会に取り残された中年世代が、新たな挑戦を通して成長していく姿を描いた、笑いと感動に溢れる作品です。

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