インディアス枢機会議

インディアス枢機会議（Consejo Real y Supremo de las Indias）は、スペインが新大陸に築いた植民地（インディアス）に関するあらゆる事柄について、国王を補佐するために1524年に設立された重要な官僚組織です。16世紀から17世紀にかけて、新大陸における国王の諮問機関として、その役割は非常に大きなものでした。

歴史

インディアス枢機会議の起源は、1511年のフェルナンド2世の時代にカスティーリャ枢機会議内に設けられた組織に遡ります。1524年8月、カルロス1世によって国王直属の枢機会議へと格上げされ、正式にインディアス枢機会議として発足しました。

1542年にはインディアス新法が制定され、その中でインディアス枢機会議の機能と目的が初めて明確に規定されました。さらに、1571年9月24日にはフェリペ2世によって勅令が発布され、その組織と権限がより詳細に定められました。

18世紀初頭に入ると、フェリペ5世によって海軍内にインディアス省が設置され、インディアス枢機会議の活動範囲は司法関係に限定されるようになります。その後、1812年のカディス・コルテスによって廃止が決定されました。

フェルナンド7世によって一時的に再建されましたが、1834年には完全に廃止され、その歴史に幕を閉じました。

機能

会議の議長および議員の任免は王室によって行われました。その他、弁護士、弁務官、世界誌学者、数学者など、様々な分野の官吏が会議に携わりました。インディアス枢機会議は、植民地地域における行政・立法・司法の権限を有し、国王に代わって植民地関係の業務を幅広く取り仕切りました。

現地機関であるアウディエンシアは、インディアス枢機会議に職務を報告する義務を負っていました。また、アウディエンシア同士の係争や通商院との諸問題も管轄し、植民地の官吏や高位聖職者の任命権も有していました。

インディアス枢機会議は、被任命者の監視も重要な任務としていました。そのため、巡察吏（ビシタドール）を派遣し、植民地における不正や問題の摘発に努めました。このように、インディアス枢機会議は、スペインの植民地統治において、非常に重要な役割を果たした組織でした。

参考文献

* 大貫良夫『ラテン・アメリカを知る事典』平凡社、1987年。ISBN 4-582-12625-1。

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