インディアンパシフィック

インディアンパシフィックの魅力

インディアンパシフィックは、オーストラリアのシドニーとパースを結ぶ壮大な長距離旅客列車です。この列車は3961キロメートルにわたり、オーストラリア大陸を横断します。特筆すべきは、そのルートの多くが直線で構成されている点です。特に興味深いのは、グレートビクトリア砂漠の南に位置するナラボー平原での478キロメートルの直線走行区間です。これは世界で最も長い直線として知られており、早朝にはこの平原を走行する際に美しい日の出を楽しむことができます。

歴史の流れ

オーストラリアの鉄道では、各州が独自の規格で鉄道を敷設していたため、軌間が異なり、長距離の移動には不便がありました。しかし、1969年にシドニーからパースまでの大陸横断鉄道が標準軌に統一され、1970年にインディアンパシフィックの運行が始まりました。1997年以降はオーストラリア国鉄が解体され、ジャーニービヨンドレールによる運営に移行しました。この会社は観光重視のクルーズトレインの運行に力を入れており、ジ・オーバーランドやザ・ガンなどとともに観光列車として存在感を示しています。

車両とサービス

インディアンパシフィックには、主にゴールドとプラチナという二つのクラスがあります。ゴールドクラスでは、シングルまたはツインルームを選ぶことができ、食事や飲み物、オフトレインツアーの費用が含まれています。一方、プラチナクラスに進むと、地元の新鮮な食材を使用した専用食堂車を利用できる特典があります。また、プライベート空間が求められる方には、チェアーマンズ・カーの利用も可能です。

オフトレインツアーと停車駅

インディアンパシフィックでは、いくつかの停車駅でオフトレインツアーを楽しむことができます。具体的には、ブロークン・ヒル、アデレード、クック、カルグーリー、そしてパースで、短時間の観光が用意されています。これらの観光ツアーは運賃に含まれており、旅行者にとって便利です。

運行ダイヤ

シドニーからパースまでの旅は約3泊4日（約67時間）かかります。この運行は週に2回行われます。運行時間は、シドニー発が水・土曜日の14:55で、ブロークン・ヒルやアデレードを経由して、最終的にパースに到着します。また、パースからの復路は水・日曜日に11:55に出発します。飛行機や車では味わえない、ゆっくりとした旅の魅力がここにはあります。時刻の設定は、シドニーがUTC+10:00、ブロークン・ヒルとアデレードがUTC+09:30、カルグーリーとパースがUTC+08:00です。

運賃の詳細

運賃は基本的に乗車ごとに計算されますが、アデレードで他の列車に乗り換える際には別途料金が必要です。さらには、大人、子供、学生、バックパッカー向けの異なる運賃体系も存在します。シーズンごとに運賃が変わり、ハイシーズン（9-10月）、ショルダーシーズン（4-5月、8月）、ローシーズン（6-7月、12-1月）で区分されているため、計画に応じたチケット購入が重要です。

インディアンパシフィックの旅は、雄大な景色とともにオーストラリアの自然や文化を体感できる特別な機会です。この列車の旅があなたにとって忘れられない思い出となることでしょう。

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