インディペンデント航空1851便墜落事故

インディペンデント航空1851便墜落事故

1989年2月8日に発生したインディペンデント航空1851便の墜落事故は、イタリアのベルガモを出発し、ドミニカ共和国のプンタカナへ向かうチャーター便で起こった。不幸なことに、この便はアゾレス諸島のサンタマリア空港への着陸進入中にピコ・アルトという山に衝突し、乗員乗客144人全員が命を失うという結果となった。これはポルトガルの航空史上最も悲惨な事故として記録されている。

事故の経過

事故発生時、操縦士は滑走路19へのILSアプローチのため、3,000フィートまで降下するよう指示を受けていた。しかし、その指示のやり取りの際、別の訓練管制官が提供した気圧設定の値が誤って9hPa高く伝えられ、操縦士は新しいQNHを確認するためにマイクロフォンを操作していたために、全ての指示を適切に把握できなかったと考えられている。その結果、彼らは実際には2,000フィートまでの降下が許可されているとの誤解を持ち続けてしまった。

さらに、ILSアプローチの許可後、クルーはアプローチに関するブリーフィングを完了させておらず、3,000フィートが安全高度であることやピコ・アルトの存在に気づくことができなかった。このまま飛行を続けた結果、航空機はサントエスピリト付近で激しい乱気流に遭遇し、続いて高度1,795フィートで水平飛行中にピコ・アルトの尾根に衝突した。事故後に発見された高度計は正しく1027mbに設定されていた。

事故原因

事故調査委員会は、公表されている最低扇形別高度が3,000フィートであったにもかかわらず、クルーが手順の遵守を怠り、意図的に2,000フィートまで降下させたことが主な原因であると判断した。また、管制官が航空機の実際の高度を低く設定したことが、副操縦士による誤解を助長したとも指摘された。

そのほかの要因としては、地上での通信において標準の言語使用が守られなかったことや、降下クリアランスの復唱をしなかったこと、クルーの国際便での経験不足なども挙げられた。また、航空会社自体が地形回避のための訓練を十分に行っていなかったことも問題とされた。

事故後の影響

この事故はインディペンデント航空にとって厳しい影響を及ぼし、運航を続けることができず、翌年には倒産に至った。

映像化と関連情報

この事故は、テレビ番組『メーデー!:航空機事故の真実と真相』の第21シーズン第2話でも取り上げられている。事故に関する詳細なデータは、航空安全ネットワークなどの外部リンクで入手可能である。

この事故は、航空安全における重要な教訓をもたらし、今後の航空業界における飛行手続きや訓練の改善に寄与することとなった。

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