副操縦士

副操縦士とは

副操縦士（ふくそうじゅうし）、英語ではFirst OfficerまたはCo-Pilotと呼ばれる役割は、航空機の乗員の中で機長をサポートし、その業務を補助・代行する重要な職務です。航空業界では、通常2名の操縦士が搭乗することが求められるため、副操縦士は必ず機長とともに飛行します。副操縦士は、飛行機や飛行船では右席、ヘリコプターでは左席に座ることが一般的です。

副操縦士になるための資格

日本における副操縦士の資格については、事業用操縦士の免許が必要です。多くの副操縦士は機長資格を得るための基礎として、定期運送用操縦士の免許を取得していない場合がほとんどです。しかし、機長の指示の下で操縦業務を引き継ぐことが可能です。日本以外の国々では、副操縦士にも定期運送用操縦士の資格を求めることが一般的です。

2013年以降、日本では准定期運送用操縦士免許が創設され、特定の養成所で取得可能となり、このライセンスを持っていれば副操縦士としての任務を果たすことができます。また、両方の操縦士が機長資格を持つ「ダブルキャプテン」と呼ばれる状況もあり、その際はどちらかが副操縦士の業務を担当します。日本の航空界では、機長昇格訓練中に問題が起きるケースもあり、事故の原因として副操縦士が指摘されることもありますが、実際には副操縦士が機長の指示で操縦すること自体は法律的にも適切な手順です。

副操縦士の業務内容

航空法により、操縦士を2名乗せることが義務づけられている航空機があります。これには、飛行時間が5時間を超える旅客運送用航空機や、特殊な方法で飛行する際に二人の操縦士が必要とされる航空機が含まれます。副操縦士は主に通信や機長の補佐を担い、機長からの指示に従って操縦を行うこともあります。実際には出発から到着まで副操縦士が機長の代わりに操縦することもありますが、最終的な判断は常に機長に委ねられています。

21世紀に入ってからは、機長が操縦している間の他の業務を行うことが禁止されており、副操縦士は見張り役としての責任を負っています。また、旅客運送の初期の頃には副操縦士が客室業務を兼任することもありましたが、現在ではそのような役割は明確に分かれています。

国際的な動向

2022年には、ドイツ、イギリス、ニュージーランドを含む40カ国以上で、ジェット旅客機のパイロット1名制の導入を検討している状況があります。国際民間航空機関はこの動きに対して支援を提供しており、今後の航空運用方法の大きな変化が期待されています。

また、欧州航空安全機関も同様の取り組みを進めており、航空機メーカーとの協力の下、パイロット1人制の運用方法の決定に向けた準備が進められています。これにより、航空業界は今後どのように変化していくのか注視される時期にあります。

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