インバウンズ

インバウンズ（INBOUNDs）は、日本の主要な電機メーカーであるカシオ計算機の関連会社、カシオ情報機器株式会社が運営するオンラインプラットフォームです。このウェブサイトは、主に訪日外国人観光客による消費、すなわちインバウンド消費に対応する免税店向けのサービスや製品提供に特化しており、小売店がインバウンド需要に効果的に対応できるよう多角的に支援することを目的としています。

このサイトで提供される主要なサービス・製品の一つとして、免税手続きに特化したレジスターシステムが挙げられます。これは簡易的なPOS（販売時点情報管理）機能も備えており、特に免税店業務の効率化を強力にサポートします。このシステムを利用することで、煩雑になりがちな免税書類の発行プロセスをスムーズに進めることが可能になります。さらに、複数の店舗で購入した商品をまとめて免税手続きを行う、いわゆる免税一括カウンター業務にも対応しており、大規模な商業施設や商店街における利便性向上にも貢献します。

また、訪日外国人観光客が日本の店舗で快適に買い物を楽しめるよう、店舗の多言語化を支援するサービスも展開しています。その中心となるのが、商品情報やプロモーション内容などを記載したPOP広告を外国語で手軽に作成できるクラウドベースのサービスです。このサービスは、日本語での作成はもちろんのこと、英語、中国語（簡体字・繁体字）、韓国語、タイ語といった、訪日観光客数が多い国や地域で話される主要な言語に対応しています。これにより、小売店は外国人顧客に対して、より分かりやすく、効果的な情報提供を行うことが可能になります。

加えて、店舗ですぐに使用できる印刷済みの販促物、特にPOP広告の販売も行っています。提供されるデザインの中には、台湾や中国をはじめとするアジア圏で非常に高い人気を誇るサンリオキャラクター、ハローキティを用いた商品がラインナップされています。これらのキャラクターを用いたPOPは、顧客の注意を引きつけ、集客や購買意欲向上に繋がる効果が期待されます。

これらの多岐にわたるサービスや製品は、2010年代中頃に顕著に見られた、中国人観光客を中心とする大規模な購買行動、一般に「爆買い」と呼ばれる現象の需要を積極的に取り込みたいと考える日本の小売店を主なターゲットとして開発されました。インバウンズのウェブサイト自体も、このような市場のニーズに応える形で、2016年7月7日に正式に公開され、以来、免税店のインバウンド対応を支援するための重要なツールとして機能しています。

もう一度検索