インフィニティ・J

日産インフィニティJ（Infiniti J）について

Jは、日産自動車が展開する高級車ブランド「インフィニティ」の一部として、1992年に登場したセダンモデルです。この車は、かつての日産・レパードJ.フェリーの姉妹車でもあり、インフィニティのセダンラインupの中でも特別な存在でした。

1. 開発と発売の経緯

1992年4月7日、JはM30の後継として市場に投入されました。M30の前身はクーペモデルでしたが、Jは初めてのMクラスセダンとして登場し、インフィニティブランドのセダンの定義を広げました。

デザインは、当時日産デザインインターナショナルの代表を務めていたジェリー・ヒルシュベルクが手がけています。本来はインフィニティ専用に設計されていましたが、3代目レパードの開発中止を受けて、日本市場において日産ブランドの「レパードJ.フェリー」としても展開されました。1992年6月1日から正式に日本で販売が開始され、生産は栃木工場で行われました。

2. エンジンと性能

Jは、Q45と競合しないように単一のエンジン構成を採用しました。それはV型6気筒の3.0L VG30DE型エンジンです。このエンジンは、レパードJ.フェリーの日本国内仕様と同型式ですが、フェアレディZ系の仕様に基づいており、最高出力は210psに設定されています。このため、搭載されるエンジンには独自の特性があり、力強い走行性能を誇っています。

3. デザインと特徴

Jの基本となるプラットフォームは、Y32型セドリック / グロリアですが、内外装にはさまざまな改良が施されています。外観はレパードJ.フェリーと類似していますが、フロントフェイスでは異なるデザインを採用しました。具体的には、Jはブラックアウトグリルと4灯プロジェクターヘッドランプを装備し、洗練された印象を与えています。

また、ツーリングモデルである「J30t」も存在し、こちらはリアスポイラーやBBS製ホイール、HICAS（操舵補助システム）などの追加装備が特徴です。

4. モデルの変遷

大規模なモデルチェンジはありませんが、1994年にはシートヒーターの改良が行われ、1995年にはOBD2が新たに搭載されるなど、確実に進化を遂げています。

5. 生産の終了

Jは1997年6月18日に生産を終了し、後継モデルであるI30が登場しました。これにより、インフィニティJは一つの時代を締めくくりました。

日本市場において高級セダンとして受け入れられたJは、リッチなデザインと優れた性能で高得点を得ました。過去の名車として多くの人に記憶される存在です。

もう一度検索