日産・レパード

レパード（LEOPARD）

日産自動車がかつて手がけた高級乗用車、レパードについて詳しく解説します。1979年に登場した910型ブルーバードを踏まえ、その進化の過程や兄弟車であるレパードTR-Xやレパード J.フェリーについても触れます。

概要

レパードは1980年に登場し、ブルーバードの上級モデルとしての立ち位置を確立しようとしました。最初は直列6気筒エンジンを搭載し、高級感のあるスタイリングと先進的な技術を持っていました。しかし、世代ごとに異なる商品企画や方向性により、一貫したブランドアイデンティティを確立することはできませんでした。それでも、後の高級車モデル、特にインフィニティブランドにおいてその経験が活かされる重要な役割を担いました。

初代 F30型系（1980年 - 1986年）

レパードの初代モデルは、910型ブルーバードをベースに開発され、北米向けのG910型マキシマの車両を参考にしました。当初は北米市場をターゲットにしていましたが、販売戦略を変更し、日本市場に特化したモデルとして流通しました。このモデルは、、大ヒットCMにも登場した加山雄三と一緒に顧客にアピールされました。

ボディタイプは、2ドアハードトップと4ドアピラードハードトップの2タイプが設定され、多くの業界初の技術が盛り込まれました。特に、リアウィンドウの形状や流れるようなデザインが特徴的で、当時の国産車には見られないスタイリッシュさがありました。しかし、搭載されていたエンジンは競合のトヨタ・ソアラと比べるとパフォーマンスで劣る部分もありました。

1984年にはV型6気筒ターボエンジンの搭載車もラインアップに加わり、最高出力が230 PSに向上しましたが、販売数は期待ほど伸びませんでした。初代の販売台数は約70,000台に達しました。

2代目 F31型系（1986年 - 1992年）

1986年にモデルチェンジされ、フルモデルチェンジされた2代目は、スカイラインの設計を採用しながらも独自性を保っています。デザインはクラシカルスタイルを取り入れ、エンジンも全てV型6気筒となりました。特に、コンペティターであるソアラを意識した競争力のあるモデルになりました。新しいグレード名やキャッチコピーがつけられ、CMに使用された映画音楽は多くの消費者の心をつかみました。

このモデルも初代同様に人気があり、テレビドラマでの登場がその知名度を高めましたが、販売数字は安定していました。エンジン出力も異なるグレードを用意し、表現力に優れたクーペという定位を確保していました。

3代目 JY32型系（1992年 - 1996年）

3代目にあたるレパードJ.フェリーは、インフィニティブランドの影響を受けたモデルとして、全く新しい位置付けとなりました。主に4ドアセダンとしての展開を見せ、特別な高級革シートをオプションに設定するなど、ラグジュアリーモデルとしての風格を持たせました。

また、エンジンにはV型8気筒やV型6気筒が搭載され、高い走行性能を発揮しましたが、日本国内での販売は苦戦を強いられました。

4代目 JY33型系（1996年 - 2000年）

バブル経済崩壊の影響を受けて登場した4代目は、Y33型セドリックやグロリアの流用が多く、より経済的な展開となりました。キャッチコピーには「新しい、高級のドアを開けませんか」とあるように、設計が変更される中、高品質と合理性を兼ね備えたモデルに仕上げられていました。

車名の由来

レパード（leopard）は英語で「豹」を意味し、そのデザインやパフォーマンスには「豹」のようなエレガンスを求めていることを表しています。また、兄弟車であるTR-Xは「未来の走り」を約束するキャッチフレーズを持ち、J.フェリーはフランス語の「祝日」を意味するネーミングで特別感を演出しました。

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レパードはその歴史において、多様なデザインやコンセプトを持ちながらも、競争が激しい市場での挑戦と成功の物語を象徴するモデルと言えるでしょう。

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