インフォレスト

インフォレスト株式会社について

インフォレスト株式会社（Inforest Co., Ltd.）は、東京都千代田区に拠点を置く出版社であり、2002年に設立されました。創設当初は、セブンシーズホールディングス（現・FRACTALE）の完全子会社として、金融や教育といった事業分野に広がりを見せていました。英知出版の事業を分社化する形で誕生したインフォレストは、出版業界での存在感を強め、特にファッション雑誌『小悪魔ageha』の成功によって注目を集めました。

成長と転機

インフォレストは、2009年度には約75億円の売上を記録し、セブンシーズホールディングスの売上の約40％を占めるまでに成長しました。この成功の背景には、ムック本の販売や通販事業の展開があります。しかし、同時に製作現場と経営との間に意見の相違が生じ、特に部数増加を重視する経営側と、読者を重視する現場との対立が表面化しました。

2010年3月、セブンシーズホールディングスはインフォレストの全株式をカラーズインターナショナルに売却しました。カラーズインターナショナルは衣料や雑貨の販売を主な業務としており、出版業界には精通していませんでした。この新たな体制の中で、様々な問題が次々に発生し、特にカリスマ編集長の中條寿子氏の離脱や、取引先の破綻が影響を与えました。

経営危機と自己破産

2014年に入ると、経営危機が深刻化しました。印刷業者やモデル、編集者への支払いが遅れ、信用不安が急速に広がりました。その結果、2014年11月25日、東京地方裁判所に自己破産を申請することとなります。この破産手続きの中、関係者の間でも会社の行く末を懸念する声が上がり、調査マンによる訪問が行われる事態にまで至りました。

沿革

1. 2002年 - 英知出版の分社化により、インフォレストが設立される。
2. 2006年 - 親会社であるセブンシーズHDが株式会社ローカスを子会社として迎え入れる。
3. 2008年 - ローカスとの事業統合が行われ、事実上の吸収合併が成立。
4. 2010年 - カラーズインターナショナルに買収され、東京都千代田区に本社を移転。
5. 2014年 - 事業停止し、東京地方裁判所に自己破産を申請。

出版物

インフォレストは、特にファッションに特化した多くの雑誌を発行していました。『小悪魔ageha』が代表的な雑誌として知られ、他にも『姉ageha』や『Happie nuts』などがありました。ですが、経営破綻後は出版物の発行を他社が引き継ぐこととなり、2020年現在の発行物はすべて他社からリリースされています。

現在、個別の出版物は、各出版社によって再発行や続刊が行われていますが、インフォレスト自体の法人格は消滅しており、かつての栄光は失われています。

このように、インフォレスト株式会社は印刷・出版業界における波乱の歴史を有し、その経緯は多くの要因が交錯した結果であったことが伺えます。

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