インフレキシブル (巡洋戦艦)

イギリス海軍巡洋戦艦インフレキシブル (HMS Inflexible)

インフレキシブルは、イギリス海軍が建造したインヴィンシブル級巡洋戦艦の一隻です。その歴史は、第一次世界大戦という激動の時代と深く結びついています。

艦歴

インフレキシブルは、ジョン・ブラウン造船所にて建造されました。1906年2月5日に起工し、1907年6月26日に進水、そして1908年10月20日に就役しました。就役から間もない1911年5月26日には、戦艦ベレロフォンとの衝突事故を経験しています。

第一次世界大戦が開戦すると、インフレキシブルは地中海艦隊の旗艦として活動を開始しました。1914年8月4日から10日にかけては、ドイツ海軍の巡洋戦艦ゲーベン追跡戦に参加しました。その後、8月19日にイギリスへの帰還命令を受けました。

しかし、コロネル沖海戦でのイギリス海軍の敗北を受け、1914年11月4日には南大西洋へ派遣されることとなりました。12月7日にはフォークランド諸島に到着し、翌日のフォークランド沖海戦ではドイツ艦隊を撃破する大きな戦果を挙げました。この海戦での勝利は、イギリス海軍にとって大きな転換点となりました。

12月19日には地中海への帰還命令が下り、1915年1月24日にはダーダネルス作戦の旗艦に任命されました。しかし、3月18日には触雷事故に見舞われ、マルタとジブラルタルで修理を余儀なくされました。修理完了後、イギリスに戻り、1915年6月19日にはグランドフリートの第3巡洋戦艦戦隊に編入されました。

1916年5月31日には、ユトランド沖海戦に参加し、その後の8月には対ドイツ艦隊作戦にも出撃しましたが、敵との遭遇はありませんでした。1918年2月1日には、メイ島沖で潜水艦K22との衝突事故を起こしました。

インフレキシブルは、1920年3月31日に除籍され、1922年12月に売却されました。翌年にはドイツで解体され、その長い艦歴を終えました。

第一次世界大戦における主な戦い

ゲーベン追跡戦 (1914年8月): 開戦直後、ドイツ巡洋戦艦ゲーベンの追跡作戦に参加。
フォークランド沖海戦 (1914年12月): ドイツ艦隊を撃破し、戦局を大きく有利に導いた。
ダーダネルス作戦 (1915年): 連合軍によるガリポリ半島への上陸作戦を支援。
ユトランド沖海戦 (1916年5月): 大規模な海戦に参加し、戦況を見守った。

インフレキシブルの意義

インフレキシブルは、第一次世界大戦という激動の時代において、その高い戦闘能力と機動力を活かし、数々の重要な戦いに参加しました。特に、フォークランド沖海戦での勝利は、イギリス海軍の士気を高め、戦局全体を有利に導く上で大きな役割を果たしました。また、ダーダネルス作戦やユトランド沖海戦への参加も、その存在の大きさを物語っています。除籍後、解体されましたが、インフレキシブルはイギリス海軍史において、その名を永遠に刻んでいます。

外部リンク

Maritimequest HMS Inflexible Photo Gallery

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