インペリアル サガ

インペリアル サガ

『インペリアル サガ』は、スクウェア・エニックスが運営していたブラウザゲームです。サガシリーズ初のブラウザゲームとして登場し、アイテム課金制を採用していました。Yahoo!ゲームを始め、ハンゲーム、mixiゲーム、DMM GAMESなど、様々なプラットフォームで配信されていましたが、2019年12月26日をもってサービスを終了しました。

しかし、そのゲーム性は後継タイトルである『インペリアル サガ エクリプス』へと引き継がれ、現在もYahoo!ゲーム ゲームプラスおよびDMM GAMESにてサービスが提供されています。

ゲーム概要

本作は、『ロマンシング サ・ガ2』の世界観をベースにしており、歴代のサガシリーズに登場したキャラクターたちが集結するクロスオーバー作品としての側面を持っていました。このコンセプトは、前作のソーシャルゲームである『エンペラーズ サガ』と共通していますが、ブラウザゲームならではの要素も取り入れられています。

開発理由としては、ソーシャルゲームとブラウザゲームでは客層が異なることや、ゲーム内でBGMを使用したいという要望があったことが挙げられます。

プレイヤーは「アルタメノス帝国」の皇帝となり、家臣を率いて育成しながら、クエストを達成してストーリーを進めていきます。コンシューマゲームとは異なり、サービスが続く限り「終わり」のないブラウザゲームでありながら、最終ボスやエンディングが存在し、物語を完結させることができる点が特徴です。

プレイヤーは、ストーリーを終えた後も、再び同じストーリーの最初に戻ってリスタートすることができます。そして、獲得したキャラクターの戦力を増強させながら、物語の中に点在する様々なエピソードに触れていくことができます。

物語

物語の舞台は「ステラ」と呼ばれる世界。そこでは、人間を生んだ神「ネメアー」と、魔物を生んだ神「ザルガ双神」が対立していました。それぞれの神は、自らの種族を世界に産み落とし、勢力を拡大させていきますが、魔物の増殖速度が人間をはるかに上回っていました。

世界のバランスを憂慮したネメアーは、ザルガ双神を説得しようと試みます。妹神マグダレーネは説得を受け入れ休眠に入りますが、姉神マグダレナは拒否し、ネメアーとの戦いに発展します。

激戦の末、ネメアーはマグダレナを打ち倒し、マグダレナが死の間際に生んだ三凶神「アン・ルー」「ネブルザグ」「ヴァダガラ」も同様にネメアーによって倒されます。

しかし、眠りから覚めたマグダレーネは姉の死を知り、ネメアーに復讐を誓います。ネメアーは人間の中から選りすぐりの戦士を選び出し、戦士「ゲート」とその子孫たちの活躍によって、マグダレーネは再び打ち倒されます。

死の間際、マグダレーネは双子の神としての能力を発動させます。それは、互いの事象を入れ替える能力と、過去へ遡る能力でした。事象の転換によってマグダレナの死は無かったことになり、過去への遡行によって三凶神は「三相一体の神」となる知恵を得ます。

三凶神は合体することで強大な力を得て、ネメアーを圧倒します。敗北を悟ったネメアーは、自身の神力を全て放出し、ヴァダガラから兄妹神を引き剥がします。しかし、制御を失った三凶神の魔力が暴走し、ネメアーは異なる次元から多くの町や人々、魔物を引き寄せた複合世界「ディスノミア」を構築し、力尽きてしまいます。

三凶神の魔力はディスノミアを覆い、魔物を増強させ、世界は魔物が跋扈する危険な場所へと変貌します。しかし、ネメアーの意思は消えず、ヴァダガラを倒すために異世界から人々を呼び寄せ、ヴァダガラに対抗できる力を生み出そうとします。

やがて、ネメアーの血を引くアルタメノス帝国の皇帝アデルは、異世界の人々を家臣として集め、ヴァダガラへの抵抗を開始します。しかし、呼び寄せられたのは人間だけでなく、魔物や神々も含まれており、中にはヴァダガラに与する者もいました。

アデルは、異世界の神の一人であるデスに挑みますが、相討ちとなり命を落とします。しかし、アデルは死の間際に異世界の秘法「伝承法」を発動させ、信頼できる家臣に魂を引き継ぎ、帝国の戦いは続いていくことになります。

帝国はヴァダガラとの戦いを終わらせるため、力を失ったネメアーの肉体である「魂の欠片」を集めながら、魔物や邪神との戦いを繰り広げます。しかし、邪神サルーインが魔力をヴァダガラに捧げたことで、ヴァダガラは再び三相一体の神として復活し、地上は魔物に占領され、人々は最後の地下都市へと逃げ込みます。

絶望的な状況の中、アデルが密かに預言者との間に設けた子が発見されます。アデルと同様の皇帝の資質を持つ彼は、最後の皇位継承者として、帝国に希望をもたらします。そして、帝国は多くの犠牲を払いながらも、三相一体の神を打ち倒し、「魂の欠片」によってネメアーを復活させ、次元の扉を開き、人々は元の世界へと帰っていきます。

しかし、ザルガ双神はネメアーが次元の扉を開くたびにステラへの解放を妨げ、ネメアー自身もその影響下にありました。そのため、「ヴァダガラとの戦いの末に敗北する歴史」が繰り返され、無数の平行世界が生まれていました。

その中には、アデルの子が闇に染まり、ヴァダガラに「魂の欠片」を奪われた世界や、正体不明の遺跡から発掘された古代種の遺物「エッグ」によって世界が支配されようとしている世界も存在しました。

無数の平行世界の一つで、石碑を調査した帝国の家臣が世界の真相を知り、未来から過去へ夢を投射する術によって、アデル存命の時代へと真実が伝えられます。

そして、運命の日。アデルがアルタメノス帝国へ帰還する夜、月光によってアデルが消滅し、ザルガ双神による次元衝突が始まります。しかし、ミルリクと名乗る者が現れ、未来から投射された真実とザルガ双神の計画を語り、ディスノミアを覆う次元の檻を破壊し、ステラへと渡るための戦いが始まるのでした。

ネメアーを蘇らせた帝国は、ステラ世界へと攻め込みますが、そこはザルガ双神と配下の魔物しかいない、生気の無い世界でした。ザルガ双神は、都合の悪い人物を全てディスノミアへと隔離し、ステラを支配していたのです。このままディスノミア同士が次元衝突を起こせば、ステラは二度と覆らない更地となってしまうでしょう。

ミルリクたちはザルガ双神に挑み、マグダレナを打ち倒します。残ったマグダレーネは過去へ遡ろうとしますが、アデルとその継承者たちによって阻まれ、滅ぼされます。ザルガ双神は、歴史を書き換えようとした余波で生まれた数千数万の平行世界の皇帝たちによって滅ぼされたのでした。

家臣

プレイヤーが操作するキャラクターの総称です。物語の中核を担う「皇帝」も、ゲーム内では家臣の一人として扱われ、他のキャラクターと同様に操作します。

レアリティ: 兵士、上級兵士、戦士、将軍、王者、覇者、皇帝、覇王、天帝の順にレアリティが存在し、上位のレアリティほど初期能力や成長の上限が高くなります。
出撃回数: クエストに出撃した回数が一定に達すると「成長限界」となり、それ以上能力値が成長しなくなります。成長限界になると、アイテムでリセットすることで、最初から成長をやり直すことができます。
武器タイプ: 家臣が使用する武器の種類で、これによって覚える技や属性が異なります。
術属性: 魔法攻撃や補助を行う「術」の種類で、家臣によって異なります。術を一切扱えない家臣や、術属性にない術を扱える家臣も存在します。
技・術: コストを消費して発動する特殊な攻撃や補助の総称です。家臣ごとに強力な専用技である奥義や、敵の攻撃を一定確率で回避できる見切りも存在します。
HP: 耐久力で、ダメージを受けると減少します。0になると戦闘不能になります。
LP: 生命力で、戦闘不能になると減少します。0になると出撃不可能になります。
SP: 技や術を使用するためのコストです。武器による通常攻撃では回復します。
攻撃力: 武器を使った攻撃の威力です。
術適性: 術を使った攻撃の威力です。
防御力: 敵からの攻撃を軽減する能力です。
耐性: 特定の属性攻撃を軽減する能力です。
すばやさ: 行動順序や命中率に影響する能力です。
強化ポイント: 各能力値を強化するためのポイントです。
装備品: 武器、防具、アクセサリーがあり、能力値を向上させます。
DH: 部隊に組み入れていない家臣を装備品のように扱うシステムです。DHとして装備した家臣の能力に応じてパラメータが補強され、奥義を使用できます。
ロール: ダメージ増幅や軽減などの補正をかける要素です。
タグ: 家臣が持つ性質で、原作の作品名や性別、種族などがあります。
コマンダースキル・サポートスキル: タグに対応した家臣を強化する能力です。

施設

ゲーム内には様々な施設が存在し、家臣の育成や強化、アイテムの購入などを行うことができます。

問題と対策

サービス開始当初は、LP回復手段の不足や難易度の高さなどが指摘されましたが、ユーザーからのフィードバックを受け、LP回復手段の実装やゲームバランスの調整などが行われました。

スタッフ

プロデューサー：広野啓
エグゼクティブプロデューサー：河津秋敏
キャラクターデザイン：小林智美、倉花千夏
サウンド：伊藤賢治、成田勤、上倉紀行、弘田佳孝
シナリオ：とちぼり木、ベニー松山

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