イ・スンジェ

イ・スンジェ：韓国の演技界の巨匠

イ・スンジェ（이순재）は、1934年11月16日に生まれた韓国出身の俳優です。彼の故郷は咸鏡北道会寧郡であり、現代の朝鮮民主主義人民共和国会寧市にあたります。本貫は広州李氏で、彼の家族構成は妻と子供2人の4人家族です。彼はソウル大学校を卒業し、哲学を学びました。

初期のキャリアと演劇活動

イ・スンジェは大学時代に映画に関心を持ち、演劇部を復興する運動に参加しました。その後、ヨ・ウンゲやイ・ナックン、キム・ドンフンらと共に「実験劇場」を設立し、本格的に演技の道を歩むこととなります。彼の国民的認知度が高まったのは、1961年に韓国放送公社（KBS）がテレビ放送を開始した後、テレビドラマに多数出演したことがきっかけです。

特に注目すべきは、彼の活動の中で、朝鮮時代中期の実在の医師・許浚を題材にした作品に深く関わっている点です。これには『執念』（1975年）、『東医宝鑑』（1991年）、『ホジュン 宮廷医官への道』（1999年）が含まれています。彼は映画ではその役を、テレビドラマではその師匠を二度演じました。また、MBCの政治ドラマ『共和国』シリーズでは、第4代韓国大統領の尹潽善役を演じるなど、幅広いジャンルで才能を発揮しました。

政治活動と教育

イ・スンジェは1988年第13代国会議員選挙において、民主正義党の推薦を受けて立候補しましたが、残念ながら落選しました。彼は翌1992年の第14代国会議員選挙で再挑戦し、今度は民主自由党の公認を得て当選。これにより、1期の国会議員としての務めを果たしました。その後、演劇と映画、さらにテレビでの活躍に戻るだけでなく、2010年からは世宗大学校などの教育界でも後輩俳優の育成に尽力しています。

国際的な活動と影響

1970年代には、日本の稲垣浩監督とのコラボレーションに向けた動きがありましたが、それは実現に至りませんでした。しかし、日本のドラマに出演した際には、当時の日本の映画監督についてのインタビューで、黒沢明や小津安二郎に先立ち、稲垣浩監督の名前を挙げたこともあります。これにより、日韓の文化交流の先駆者としての側面が浮き彫りになっています。

現在の活動

2023年現在、イ・スンジェは88歳でありながら、舞台『リア王』に出演するなど、活発な演技活動を続けています。韓国で最高齢の現役俳優の一人として、多くのファンに支持されています。また、後輩俳優に対しては遠慮なく評価を与える一方、イ・ビョンホンに対する高い評価が特徴的です。韓国語の母音体系を完璧に扱えることでも知られています。

また、2023年にはイ・スンギの結婚式に参加し、場を盛り上げる一幕もあり話題となりました。

主な出演作品

イ・スンジェはこれまでに多くのテレビドラマや映画に出演してきました。彼の代表作には、以下のような作品があります：

• - テレビドラマ『風雲』（1982年、KBS）では興宣大院君役。
• - 『第1共和国』（1981年-1982年、MBC）では尹潽善役。
• - 『ホジュン 宮廷医官への道』（1999年-2000年、MBC）ではユ・ウィテ役。
• - 映画『カールじいさんの空飛ぶ家』（2009年、韓国語吹き替え）ではカール・フレドリクセン役。
• - さまざまなドラマでの活躍が続いており、最近では『シークレット・ファミリー』（2023年、tvN）に出演しました。

まとめ

イ・スンジェの俳優としての生涯は、演技界に多大な影響を与え続けています。彼の努力と才能は、世代を超えて多くの人々に感動を与え、韓国の文化に深く根付いています。

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