イーゴリ・オシポフ

イーゴリ・ウラジーミロヴィチ・オシポフ

イーゴリ・ウラジーミロヴィチ・オシポフ（Igor Vladimirovich Osipov、ロシア語: Игорь Владимирович Осипов、1973年3月6日 - ）は、ロシア海軍の将校であり、最終階級は海軍大将です。彼は、そのキャリアを通じて、ロシア海軍の様々な要職を歴任しました。

生い立ちと初期のキャリア

1973年3月6日、オシポフは、当時ソビエト連邦の一部だったカザフ・ソビエト社会主義共和国（現カザフスタン）のコスタナイ州にあるノボシュムノエ村で生まれました。1995年、サンクトペテルブルクの潜水艦高等海軍学校を卒業後、海軍士官としてのキャリアをスタートさせました。彼の最初の任務は、太平洋艦隊のグリシャ型コルベット「MPK-221」の兵器指揮官として、1995年8月に始まりました。このコルベットは、プリモルスキー小艦隊の第47旅団に所属し、ルースキー島とパリ湾を哨戒区域として担当していました。

その後、1996年8月から1998年7月にかけて、同じ第11対潜水艦分隊の別のグリシャ型コルベット「MPK-17」の司令官補を務めました。

指揮官としての昇進

1998年7月から2000年7月まで、オシポフは第165水上艦艇旅団の第11分隊に所属する「MPK-61」を指揮しました。この部隊は、ウラジオストクとマリー・ウリス湾周辺の海域を担当していました。2000年7月から2001年12月には、第11分隊の参謀長を務め、その後2001年12月から2002年9月まで同分隊の指揮官となりました。2002年からは、クズネツォフ海軍大学校で研究を開始し、2004年に卒業しました。

卒業後、オシポフは第165水上艦艇旅団に戻り、2004年6月から2007年1月まで参謀長を務め、2007年1月から2011年8月まで同旅団の司令官を務めました。この期間を通じて、彼は着実にキャリアを積み重ねていきました。

要職への登用

2012年、オシポフはロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミーを卒業し、同年6月にはバルチック艦隊のバルチースク海軍基地の参謀長兼第一副司令官に任命されました。同年10月からは、同基地の司令官として2015年5月まで務めました。その後、2015年5月にはカスピ小艦隊の司令官に任命されました。

2016年9月から2018年8月にかけて、彼は太平洋艦隊の参謀長兼第一副司令官の職を務め、2018年8月から2019年5月までロシア連邦軍参謀本部の副参謀長を務めました。この間、2018年には海軍中将に昇進しています。

黒海艦隊司令官

2019年5月8日、ロシア連邦大統領令により、オシポフは黒海艦隊の司令官に任命されました。2021年6月11日には、海軍大将に昇進しました。しかし、2022年2月には、ウクライナにおけるロシアの軍事行動に対する責任を問われ、欧州連合の制裁リストに追加されました。

黒海艦隊司令官解任の可能性

2022年8月17日、ロシアの通信社RIAノーボスチは、関係筋の情報として、黒海艦隊の司令官が、副司令官であったビクトル・ソコロフに交代したと報じました。また、イギリスの国防情報参謀部は、2022年4月14日に黒海艦隊の旗艦「モスクワ」が沈没した後、オシポフがロシア黒海艦隊司令官を解任された可能性が高いと発表しました。これらの報道は、彼のキャリアにおける転換点を示唆しています。

受章歴と私生活

オシポフは、キャリアを通じて海軍功労勲章を含む様々な勲章やメダルを授与されています。彼は既婚者であり、娘が一人います。

このように、イーゴリ・ウラジーミロヴィチ・オシポフは、ロシア海軍の様々な階級と役職を歴任し、黒海艦隊司令官まで昇りつめた人物です。彼のキャリアは、ロシア海軍における重要な役割と、近年の国際情勢における複雑な背景を反映しています。

もう一度検索