イーゴリ・ロジオノフ

イーゴリ・ニコラエヴィチ・ロジオノフは、1936年12月1日にペンザ州で生まれ、ソ連およびロシアの軍人、政治家として活躍しました。彼は、ロシア連邦の第2代国防相を務め、ロシア連邦議会下院の副議長も歴任した人物です。最終階級は上級大将でした。

ロジオノフは、1954年にオリョール軍事戦車学校に入学し、軍人としての道を歩み始めました。1957年に卒業後、東ドイツに駐留するソ連軍に配属され、戦車小隊長としてキャリアをスタートさせました。その後、1964年にモスクワ軍管区学校を修了し、戦車大隊副大隊長に任命されます。1970年には装甲戦車兵アカデミーを金メダルを受賞し卒業しています。

1970年、ロジオノフは第24自動車化狙撃師団、通称「鉄師団」に配属され、1972年には第274連隊長に任命されました。1974年から副師団長を務め、1975年には沿カルパチア軍管区の第17自動車化狙撃師団長に任命され、同年、第24師団長に再度任命されました。第24師団長時代には、師団が十月革命勲章を受章するという功績を残しています。

1978年、ロジオノフはソ連軍参謀本部軍事アカデミーで学び、1980年に優秀な成績で卒業しました。その後、チェコスロバキア駐留軍第28軍団長、極東軍管区第5軍司令官などを経て、1985年にはトルケスタン軍管区第40軍司令官としてアフガニスタン戦争に参加しました。1986年にアフガニスタンから帰還した後、モスクワ軍管区第一副司令官、1988年にはザカフカーズ軍管区司令官を歴任しています。1989年から1996年までは、参謀本部軍事アカデミーの校長を務めました。

アフガニスタン戦争での経験から、アレクサンドル・レーベジと強い関係を築き、レーベジの推薦により、1996年7月にロシア連邦国防相に就任しました。同月には新設されたロシア安全保障会議の議員にも就任し、8月には常任議員として承認されています。10月には上級大将に昇進しましたが、1996年12月に定年で軍を退役した後も国防相の職を留任しました。しかし、1997年5月22日に国防相を解任され、同年6月には安全保障会議常任議員も解任されました。

その後、1997年に下院国防委員会委員長であったレフ・ロフリン中将やロシア連邦共産党のヴィクトル・イリュキン下院議員とともに、軍・国防産業・軍事科学支援運動に参加しました。この団体は旧ソ連時代の退役軍人や保守派を集め、ボリス・エリツィン政権の打倒とロフリンを担いでロシアでの軍事独裁政権の樹立を画策していたとも伝えられています。

ロジオノフは、その軍歴の中で赤旗勲章、赤星勲章、二等および三等「ソ連軍における祖国への奉仕に対する」勲章を受章しています。1994年5月からは「鉄師団クラブ」の会長を務め、1998年からはロシア軍人労働組合中央委員会議長も務めました。

2014年12月19日に、イーゴリ・ニコラエヴィチ・ロジオノフは亡くなりました。

もう一度検索