イートン・カレッジ

イートン・カレッジの概要

イートン・カレッジ（Eton College）は、1440年に創設されたイギリスの名門パブリックスクールです。男子全寮制のこの学校は、ケンブリッジ大学のキングス・カレッジと姉妹校の関係にあるだけでなく、イギリス国教会に属しています。ロンドンの西側、ウィンザーに隣接し、バークシャー州のイートンに広大なキャンパスを構えており、ゴシック様式の美しい校舎や礼拝堂、歴史博物館などが見られます。

この学校は、長い歴史を通じて多くの著名人を輩出しており、特に過去には20人もの首相を輩出したことで知られています。イートン校の生徒は、13歳から18歳までの約1,300名で構成されており、学費は年間約46,000ポンドに達します。奨学金制度も設けられ、学費の10%をまかなう奨学金「王の学徒」を獲得できるのは学年でわずか14名程度です。

学校生活と伝統

イートン校には、さまざまなハウスが存在し、生徒たちは十数人の教師と共に特定のハウスに住むことになります。このハウスは、各教師のイニシャルを取って名付けられており、そこから生徒たちが住む寮の名称が決まります。特に「カレッジャー」と呼ばれる特殊な地位にある生徒は、イートン校の中でも特別な待遇を受けることができます。

また、独自の制服もイートン校の魅力の一つです。生徒たちは、黒の燕尾服にチョッキ、ピンストライプのズボンを着用し、特定の集団に属することで装飾が異なるため、見た目でどの集団に所属しているかが一目で分かります。特に「王の学徒」は、黒いガウンを身に着けることが求められるため、彼らの存在感は際立っています。

スポーツとイベント

イートン校のスポーツは伝統的であり、特にクリケットや独自の球技が有名です。クリケットの試合は200年以上続いており、毎年行われる試合では他校との対戦が盛り上がります。また、イートン・ウォール・ゲームやイートン・フィールド・ゲームといった独自の球技も根付いており、これらの競技を通じて生徒たちは強い絆を築いています。

イートン連合と国際的関係

イートン校は、他の名門校と共にイートン連合を形成し、イベントや学術的な議論などを通じて協力しています。この集団には、ブライアンストン校、ダリッチ校、ハイゲイト校など、イギリス国内の12の名門校が加盟しています。

歴史的背景

イートン校は、設立当初から貧しい少年たちに教育の機会を提供することを目的として創立され、多くの寄付を受けつつ目標を達成してきました。特にヘンリー6世の時代には多大な支援を受けており、校舎や聖遺物などの点で重要な投資が行われました。しかし、後の政変で資産を失うこととなり、さまざまな試練を乗り越えてきました。

日本とのつながり

イートン校は、日本の複数の学校に影響を与えています。戦前から新教育運動の一環として、イートン校を模した学校が設立されており、相互交流も行われています。特に愛知県立刈谷高校はイートン校と正式な交換留学を実施するなど、校際交流が積極的に行われています。加えて、イートン・カレッジサマースクールも開催されており、毎年320人の日本人高校生を受け入れて英語と英国文化を学ぶ機会を提供しています。

このように、イートン・カレッジは単なる教育機関ではなく、伝統と格式を持ち、未来を担う若者たちを育てている重要な場所です。

もう一度検索