イー・アル・カンフー

イー・アル・カンフー

『イー・アル・カンフー』は、1985年にコナミ工業（現・コナミグループ）からリリースされたアーケード用対戦型格闘アクションゲームです。その操作性と個性的なキャラクターが人気を博し、家庭用ゲーム機にも移植されました。

ゲーム概要

本作は、対戦型格闘ゲームの先駆けでありながら、アーケード版では対人戦はできませんでした。2人プレイの場合は、交互にCPUと対戦する形式でした。プレイヤーは、主人公を操作し、様々な敵キャラクターを倒しながらゲームを進めます。アーケード版では11人、MSX版・ファミコン版では5人の敵が登場します。

2002年には、ゲームボーイアドバンス用ソフト『コナミアーケードゲームコレクション』にアーケード版のアレンジ移植版が収録されました。この移植版では、新キャラクターが追加され、通信プレイによる対戦も可能になりました。

アーケード版は、欧州のホビーパソコンにも移植されたほか、PlayStation 2用ソフト『オレたちゲーセン族』の一作としても発売されています。また、アーケード版とファミコン版は、携帯電話ゲームとしても配信されました。

ゲームシステム

レバーとパンチ、キックボタンの組み合わせで技を繰り出すシステムが特徴です。アーケード版では16種類、ファミコン版では7種類、MSX版では5種類の技を使い分けることができました。相手に勝利すると、残体力に応じたボーナスが加算され、ノーダメージで勝利すると高得点のパーフェクトボーナスを獲得できました。

主人公の名前は、アーケード版では「ウーロン」、MSX版・ファミコン版では「李（リー）」となっています。ストーリーも機種によって異なり、アーケード版では父の仇を討つため、MSX版・ファミコン版では悪の一族を倒すために戦います。

敵キャラクター

アーケード版

アーケード版には、以下のような個性的な敵キャラクターが登場します。

Buchu: 色白の大男で、フライングボディアタックを仕掛けてきます。
Star: 手裏剣と素早いキックで攻撃してくる少女です。
Nuncha: ヌンチャクを武器に戦う男です。
Pole: 棒術を使う小柄な男です。
Feedle: 分身の術を使う敵で、複数で襲い掛かってきます。
Chain: 鎖で攻撃してくる大男です。
Club: 棍棒と盾を使う大男です。
Fan: 鉄製の扇子を投げてくるチャイナドレスの女性です。
Sword: 中国刀を使う男で、ワープすることもあります。
Tonfun: トンファーを武器に、素早い動きで攻撃してきます。
Blues: 主人公ウーロンと似た、上半身裸の男です。

MSX版・FC版

MSX版・FC版では、敵キャラクターが一新され、「チャーハン一族」と呼ばれる悪者たちが登場します。

王（ワン）: 棒術使いです。
桃（タオ）: 火炎術を使う男です。
陳（チン）: 鎖を使う男です。
藍（ラン）: 手裏剣を使う男です。
呉（ウー / Mu）: フライングボディアタックを仕掛けてくる男です。

音楽

オリエンタルな雰囲気のBGMは、東野美紀（MIKI-CHANG）が作曲しました。このBGMは、後のコナミ作品でもアレンジされて使用されています。

評価

本作は、アーケードゲーム雑誌『ゲーメスト』のムックで、8方向レバーと2ボタンによる多彩な技や、個性的な敵キャラクターなどが高く評価されました。

関連作品

イーガー皇帝の逆襲（1985年） - MSX版の続編
ショーリンズロード（1985年） - 関連作
マーシャルチャンピオン（1993年） - 元は本作の続編として開発されていた
セクシーパロディウス（1996年） - BGMが使用
* KEYBOARDMANIA - アレンジ曲が使用

『イー・アル・カンフー』は、その革新的なゲームシステムと魅力的なキャラクターで、格闘ゲームの歴史に名を刻む作品となりました。

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