ウィリアムザサード

ウィリアムザサード（William the Third）の競馬人生

ウィリアムザサードは1898年に誕生し、1917年に引退したイギリスの競走馬であり、また優れた種牡馬でもあります。彼の名は、イングランドの国王ウィリアム3世に由来しており、特に競走馬としての実績が際立っていました。ウィリアムザサードは、父セントサイモンのオーナーである第6代ポートランド公爵によって生産された名馬であり、セントサイモンの最後の名馬とされています。

経歴

ウィリアムザサードの競馬キャリアは、2歳時から始まります。この年の10月に一度だけ出走しましたが、結果は8頭立てに入れず、苦しいスタートとなりました。しかし、3歳時には状況が一変します。彼は4月に2連勝を記録し、その勢いでニューマーケットステークスに挑戦しました。このレースでは、2000ギニーで2着になったドリクレスを破り、注目を集める存在となります。特に、ダービーステークスでは1番人気のヴォロディオフスキーと熾烈な接戦を繰り広げ、3/4馬身差で2着となり、彼の名声は高まっていきました。

4歳になったウィリアムザサードは、アスコットゴールドカップでの圧倒的な勝利を遂げます。このレースでは、前年のアスコットゴールドカップを制したサントイや、オークス馬キャップアンドベルズ、さらにはパリ大賞勝馬シェリと競い合い、5馬身差での圧勝を果たしました。レース後の進行も示され、次の日には長距離戦のクイーンアレクサンドラプレートにも出走し、6馬身差という圧倒的な勝利を収めました。9月にはドンカスターカップに出場し、こちらでも8馬身差で勝利し、彼の実力を証明しました。

しかし、5歳時、アスコットゴールドカップの連覇を目指し調教を続けていた彼は、不運にも調教中に石に躓いてしまい、つなぎを痛めてしまいます。この怪我が原因でウィリアムザサードは引退となり、名馬のキャリアに終止符を打ちました。

種牡馬としての活動

ウィリアムザサードは引退後、種牡馬としての道を歩みました。1911年と1914年にはイギリスサイアーランキングで2位にランクインし、その実力を証明しました。特に1922年にはイギリスチャンピオンブルードメアサイアーの称号を獲得し、繁殖においても素晴らしい業績を残しました。

主な産駒

彼の代表的な産駒には、ウィルオニキス（Willonyx）やウィンキー（Winkie）があります。ウィルオニキスはアスコットゴールドカップやジョッキークラブカップでの勝利を収め、ウィンキーはファーラップの母となるエントリーティ（Entreaty）の父として名を馳せました。これらの産駒は、ウィリアムザサードの血を引く名馬たちであり、彼の優れた遺伝子が引き継がれています。

ウィリアムザサードの競走馬としての成功と種牡馬としての活躍は、彼が競馬の歴史に名を刻むきっかけとなり、今なお彼の名は競馬ファンの記憶に残り続けています。

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