ウィリアム・ウォルトン・バターワース

ウィリアム・ウォルトン・バターワース

ウィリアム・ウォルトン・バターワース（William Walton Butterworth, 1903年9月7日 - 1975年3月31日）は、アメリカ合衆国の外交官として、そのキャリアを通じて重要な役割を果たしました。

生い立ちと教育

1903年、ルイジアナ州ニューオーリンズで生まれたバターワースは、ローレンスビル・スクールで基礎を築き、1921年に卒業。その後、プリンストン大学に進学し、1925年に学士号を取得しました。学術への探求心は衰えず、同年夏にはフランスのディジョン大学へ留学。さらに、ローズ奨学生として選ばれ、1925年から1927年までオックスフォード大学ウースター・カレッジで学びました。

外交官としてのキャリア

1928年、バターワースは国務省外務職員局に入省し、外交官としての道を歩み始めます。ワシントンD.C.での事務作業を経て、1929年から1932年までシンガポール大使館で副領事を務めました。その後、カナダのオタワ（1932年-1933年）やイギリスのロンドン（1933年-1941年）で書記官を歴任し、着実にキャリアを重ねました。

第二次世界大戦中には、商務省への一時出向を経て、スペインのマドリッドに派遣され、一等書記官として活動（1942年-1944年）。同時に、合衆国商事公社のスペインおよびポルトガル支局長も兼任しました。帰国後は、国務省内の北アフリカ経済委員会でアルジェリア担当スタッフ（1944年）、スペインのマドリッドで参事官（1944年-1946年）を務めました。その後、中国に赴任し、重慶（1946年1月-4月）、南京（1946年4月-1947年8月）で参事官として、ジョージ・マーシャルの政治的アドバイザーを務め、公使と同等の待遇を受けました。

中国での活動後、極東部長（1947年-1949年）に任命され、ジョージ・マーシャルの推薦により極東担当国務次官補（1949年-1950年）に就任。1950年3月からは日本専任の次官補として、後任の極東担当次官補ディーン・ラスクと職務を分担しました。その後は、駐スウェーデン大使（1950年-1953年）、イギリスのロンドン大使館首席公使（1953年-1956年）、欧州石炭鉄鋼共同体大使（1956年-1959年）、欧州原子力共同体大使（1958年-1959年）、欧州経済共同体大使（1959年-1962年）、駐カナダ大使（1962年-1968年）など、数々の要職を歴任しました。

バターワースは、アジアとアメリカとの外交関係に関する研究、特に第二次世界大戦後の中国における共産党と国民党との関係について深い知見を持っていました。また、ヨーロッパの経済、特に鉄鋼業と石炭業にも精通し、欧州連合の創設に大きく貢献しました。

晩年

1962年3月20日、バターワースは国務省外務職員局から、その功績を称えられ「終身大使」の称号を授与されました。1968年に国務省を退職し、1975年3月31日に肝硬変のため亡くなりました。

バターワースの生涯は、アメリカ外交における重要な時代を反映しており、その知識と経験は、国際関係の発展に大きく貢献しました。

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