ウィリアム・コンラッド

ウィリアム・コンラッド：ハリウッド黄金期の多才な俳優

ウィリアム・コンラッド(1920年9月27日 - 1994年2月11日)は、アメリカ合衆国を代表する俳優の一人です。ケンタッキー州ルイビルで生まれ、映画館を経営する両親の影響で幼い頃から映画に親しみました。南カリフォルニアに移住後、地元の大学に進学し、ロサンゼルスのラジオ局KMPCでアナウンサーとしてのキャリアをスタートさせます。

第二次世界大戦中はアメリカ空軍にパイロットとして従軍。除隊後、再びショービジネスの世界に戻り、ラジオからテレビへと活躍の場を広げました。1946年の映画『殺人者』で銀幕デビューを果たして以降、数多くの映画に出演。幅広い役柄をこなし、着実にキャリアを積んでいきます。

しかし、コンラッドの名を世に知らしめたのは、1971年からレギュラー出演したテレビドラマシリーズ『探偵キャノン』でした。この作品で演じた私立探偵、キャノン役は大きな人気を博し、彼の代表作となりました。その演技力は高く評価され、1972年と1973年にはゴールデン・グローブ賞、1973年と1974年にはプライムタイム・エミー賞のテレビ部門主役賞にノミネートされるという栄誉に輝きました。

コンラッドの活躍は俳優業にとどまりません。1960年代には『裸の町』や『ルート66』などのテレビシリーズで監督を務めるなど、映画監督やテレビドラマのエピソード監督としても才能を発揮しました。また、ナレーターとしても数々の作品に参加しており、最後の映画出演作となった1991年の『ハドソン・ホーク』でもその才能を遺憾なく発揮しています。

私生活では3度の結婚を経験し、2度目の結婚で子供をもうけました。1980年に再婚した妻と1994年に彼が亡くなるまで連れ添いました。

1994年、カリフォルニア州ロサンゼルスにて心臓発作のため73歳で死去。数々の映画やテレビドラマに出演し、監督やナレーターとしても活躍した、ハリウッド黄金期の多才な俳優として、その名は人々の記憶に刻まれています。

主な出演作品

映画

殺人者 (1946)
ボディ・アンド・ソウル (1947)
凱旋門 (1948)
私は殺される (1948)
ジャンヌ・ダーク (1948)
犯人を逃がすな (1951)
黒い絨毯 (1954)
征服者 (1956)
バルジ大作戦 (1965)
ハドソン・ホーク (1991)

テレビドラマ

バット・マスターソン (1958, 1961)
逃亡者 (1963, 1967)
探偵キャノン (1971 - 1976)
ガンスモーク (1973)
ジェシカおばさんの事件簿 (1984)
ジェイクと肥満探偵 (1987 - 1992)

彼の幅広い演技力と才能は、多くの作品に息づいています。ウィリアム・コンラッドという名前は、ハリウッドの歴史に燦然と輝く、偉大な俳優の一人としてこれからも語り継がれていくでしょう。

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