ウィング号 (京急)

京浜急行電鉄の座席指定列車「ウィング」サービス

京浜急行電鉄は、通勤・通学時間帯の混雑緩和と快適な乗車環境の提供を目指し、有料座席指定列車「ウィング」サービスを展開しています。本サービスは、主に朝の上り列車と夜の下り列車に設定された「モーニング・ウィング号」と「イブニング・ウィング号」、そして土休日の日中に一部の快特列車に設定される「ウィング・シート」の3種類から構成されています。それぞれ運行時間帯、停車駅、座席指定区間が異なっており、利用者のニーズに合わせた多様な選択肢を提供しています。

モーニング・ウィング号

2015年12月7日に運行開始した「モーニング・ウィング号」は、平日朝のラッシュ時に三浦海岸駅・横須賀中央駅から品川駅・泉岳寺駅へ向かう上り列車です。現在は3本が運行されており、品川駅までは座席指定制となっています。途中駅は乗車のみで、品川駅到着まで降車できません。泉岳寺行きは、終点で京成高砂行きに接続します。停車駅は「イブニング・ウィング号」よりも少なく、久里浜線内には通過駅が設定されています。

イブニング・ウィング号

1992年4月16日に「京急ウィング号」として運行を開始し、2019年10月26日に現在の名称に変更された「イブニング・ウィング号」は、平日夕方のラッシュ時を過ぎた後に品川駅から金沢文庫駅・京急久里浜駅・三崎口駅へ向かう下り列車です。現在は8本が運行され、上大岡駅までは座席指定制となっています。停車駅はエアポート快特や通常の快特よりも少なく、京急蒲田駅、京急川崎駅、横浜駅を通過します。2024年11月23日からは、京急蒲田駅、京急川崎駅、横浜駅も乗車専用駅として停車駅に追加される予定です。 14・16号は、8両編成の快特列車の後部に4両編成の座席指定車両を連結した形で運行され、京急蒲田駅、京急川崎駅、横浜駅にも停車しますが、座席指定車両のドアは開きません。

ウィング・シート

2019年10月26日に開始された「ウィング・シート」は、土休日の日中に泉岳寺駅～三崎口駅間を運行する快特の一部列車の2号車を座席指定制としたサービスです。上り7本、下り8本に設定されており、ウィング・アテンダントが乗車して検札を行います。乗車・降車駅は列車によって異なります。

歴史

京浜急行電鉄の着席通勤サービスは、1992年の「京急ウィング号」運行開始に始まります。当初は2000形車両を使用していましたが、1998年からは転換クロスシートの2100形車両が導入されました。その後、モーニング・ウィング号の運行開始やウィング・シートの導入など、サービス内容の充実を図りながら、現在に至っています。運行開始から現在に至るまで、車両の変更、運行時間帯・本数の調整、停車駅の変更、サービス内容の拡充など、様々な改善が重ねられてきました。東日本大震災による計画停電の影響で一時運休した時期もありましたが、その後は混雑緩和への貢献を続け、現在も多くの利用客に支持されています。

座席指定券

「ウィング」サービスを利用するには、乗車券に加えて座席指定券が必要です。「Wing Ticket」は乗車日のみ有効、「Wing Pass」は乗車月の1日から末日まで有効です。座席指定券にはQRコードが記載されており、係員に提示して乗車します。購入方法は「KQuick」会員サイト、駅の自動券売機（モーニング・ウィング号、イブニング・ウィング号のみ）、車内（ウィング・シートのみ）など、複数の方法が用意されています。

使用車両

現在、「モーニング・ウィング号」と「イブニング・ウィング号」には主に2100形車両が使用されていますが、「モーニング・ウィング3号」と「イブニング・ウィング14・16号」には1000形1890番台車両も使用されています。これらの車両は、快適な座席と設備を備えており、利用客に快適な移動を提供しています。

停車駅と乗車位置

各列車の停車駅と乗車位置は、列車によって異なります。詳細な情報は、京浜急行電鉄の公式ホームページ等をご確認ください。

まとめ

京浜急行電鉄の「ウィング」サービスは、快適な通勤・通学を支える重要な役割を担っています。今後も、利用者のニーズに応じたサービスの提供が期待されます。 過去の着席保証列車である「ハイキング特急」「週末特急ラ・メール号」「パルラータ号」、「南房総号」、そして期間限定で運行された「ホリデー・ウィング号」の歴史も踏まえ、進化を続ける京急電鉄の取り組みは注目に値します。

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